「生命保険は加入するべき?」
「どれくらいの人が加入しているの?」
「不要と言われることも多い生命保険だけれど、入っておいた方がいい人は?」
人生100年時代と言われる現代において、いつ何が起こるか誰にも予測できません。どんなに健康な人でも、突然事故にあってしまうことはあるでしょう。そんな万が一の事態に強い味方となってくれるのが、生命保険です。
しかし、毎月の保険料を負担に感じている人も多いもの。加入が不要だと言われることもあり、入る必要はないのではないかと疑問を抱いている人も多いのではないでしょうか。
そこで、生命保険へ入るべき理由や加入している人の割合についてご紹介します。加入しておくべきおすすめの人も解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
CONTENTS
生命保険がいらないと言われている理由
万が一に備えて加入する生命保険ですが、不要だと言われることも少なくありません。本当に不要なら、わざわざ保険料を支払って加入したいという人は少ないのではないでしょうか。
しかし、すべての人に生命保険への加入は不要なわけではないため、注意が必要です。生命保険がいらないと言われている理由を正しく把握し、自分にとって必要かどうか判断しましょう。一般的に加入の必要がないと考えられている原因は、以下の通りです。
生命保険がいらないと言われている理由:
- 公的保障が充実しているため
- 保険を利用する機会が少ないから
- 貯蓄しておけば必要ないため
公的保障が充実しているため
日本では、すべての国民に公的医療保険への加入が義務づけられています。そのため、病気やケガで受診しても、最大で医療費の3割しか負担する必要がありません。
これが、生命保険は不要と言われる大きな要因です。また、公的年金制度への加入も義務化されているため、遺族年金制度も存在します。
残された遺族に対し、一定額までは国が保障してくれるため、収入がゼロになることはありません。このように、日本では公的保障が充実しているため、生命保険への加入は不要と考える人が多いのでしょう。
保険を利用する機会が少ないから
生命保険は、条件を満たすことで死亡や病気、ケガなどの際に給付金が受け取れます。一方で、どんなに保険料を払っても、支払い対象とならなければ給付金は受け取れません。
年齢が若ければ若いほど保険を利用する機会が少なく、加入するメリットがないと考える人も多いでしょう。実際のところ、厚生労働省によれば、人口10万人に対する入院総数は1211.3人と1.2%です。
40代の死亡者数も1000人につき、男性0.93人、女性0.56人と決して高くありません。ただし、利用する機会は、年齢とともに増えていきます。
利用する機会が増加することに比例して、年齢があがるほど保険料は上がり、加入できなくなるリスクも高まることに。年齢が低いときに加入しておいたほうが結果的にお得なケースもあるので、注意が必要です。
貯蓄しておけば必要ないため
支払われる給付金は、病気やケガなどの際に医療費や生活費を補填する役割を担っています。そのため、病気やケガ、死亡で必要となる費用が貯蓄でまかなえるのなら、生命保険への加入は不要と考えて良いでしょう。
ただし、扶養家族がいる場合は、注意が必要です。病気やケガ、死亡で収入が途絶え、生活に大きな影響を与えるケースは少なくありません。万が一の事態に対応できるほどの貯蓄ができているのか、今後の生活を考慮した上で慎重に見極めることが大切です。
生命保険の加入が不要と考えられている背景には、公的保障の充実や利用する機会の少なさが関係しています。また、万が一に備えた貯蓄があれば加入は不要でしょう。
しかし、実際はまとまった費用をすぐに用意することは困難です。公的保障だけでは万全とは言い難く、年齢を重ねるごとに生命保険を利用する機会は増加します。安易に生命保険への加入は不要と考えるのは、避けてください。
生命保険の加入率は約8割
生命保険への加入は任意です。家族構成や資産の状況に応じて、必要かどうかを自分で判断します。日本は公的な保障が充実していることもあり、加入は不要と考える人も少なくありません。
しかし、生命保険文化センターの2021年度「生活保障に関する調査」によると、加入している人は80.3%です。加入率を考慮すれば、生命保険への加入は必要だと考える人の方が多いと分かるでしょう。
生命保険に加入していない際のデメリット
生命保険への加入は任意のため、未加入でも問題ありません。しかし、加入しないことで生じるデメリットをしっかり把握しておかないと、後悔してしまう原因になります。
病気やケガが原因で、生命保険へ加入できなくなることも多いので、事前に確認しておきましょう。加入していないことで生じるデメリットは、以下の通りです。
生命保険に加入していない際のデメリット:
- 残された家族に経済的な負担がかかる
- 病気やケガの医療費の支払いで家計に負担がかかる
- 長期間就業不能になることで収入が減少してしまう
残された家族に経済的な負担がかかる
扶養家族を持ち生計を立てている人が死亡した場合、残された家族の生活が苦しくなってしまうケースは少なくありません。日本には遺族年金制度があるものの、遺族基礎年金は年額にして795,000円で、子どもの数で加算額が加わります。決して高くはないのが現状です。
子どもの人数や遺族厚生年金の有無によっても受給額は異なりますが、十分と言える金額ではないでしょう。特に、子どもがいる家庭では経済的な事情から進路の選択肢が狭まる可能性もあります。生命保険で支払われる給付金は残された家族のための費用でもあるため、未加入の場合は経済的な負担を考慮しておいてください。
病気やケガの医療費の支払いで家計に負担がかかる
日本は公的保障が充実しており、医療費の自己負担が軽減されています。しかし、無料で医療を受けられるわけではありません。
最大3割を負担しなければならないため、医療費が高額になるほど、自己負担額も大きくなります。ちょっとした通院は少額の自己負担で済むものの、手術や長期入院となれば家計に大きな影響を及ぼしてしまうでしょう。また、以下の費用については公的医療保険の対象外です。
- 差額ベッド代
- 先進医療費
- 入院中の食事代
- 自由診療
これらの費用は公的医療保険の対象ではないため、全額自己負担になってしまいます。特に、先進医療は数百万円という高額な費用が必要な治療方法が必要な場合も少なくありません。
厚生労働省によると、2020年7月~2021年6月に実施された先進医療費用の総額は、約61.9億円でした。全患者数は5,843人なので、1人あたりの平均金額に換算すると約105.9万円という費用がかかっていることが分かります。
このような費用を貯蓄から捻出できない場合は、生命保険に加入しておく必要があるでしょう。
長期間就業不能になることで収入が減少してしまう
生命保険で備えておけるのは、死亡だけに限りません。近年は、がんや心筋梗塞、脳卒中などの3大疾病、要介護、身体障がいなどの理由から長期間就業不能になる人が増えています。
働けなくなるリスクは死亡の平均2.6倍とも言われており、他人事では済まなくなってきているでしょう。長期間就業不能の状態になってしまえば、医療費などの出費がかさむだけでなく収入も減少してしまいます。
十分な貯蓄がない、家族の収入が少ない、という場合は、公的保障や貯蓄の中でやりくりが必要です。しかし、長期間就業不能の状態では、遺族年金の支給対象外、国民健康保険の加入者は傷病手当金の受給もできません。
貯蓄を切り崩して生活すれば老後資金の減少に繋がります。収入が減ってしまう長期間就業不能の状態に備えるのなら、生命保険の加入は検討しておくべきです。
生命保険への加入には、大きな費用がかかります。保険料が家計を圧迫しては本末転倒です。しかし、安易に加入しないことはこのようなデメリットを生むため、万が一の事態に陥った際に後悔することになりかねません。
病気やケガ、死亡によって収入が減少し、自分や家族の生活が成り立たなくなってしまうリスクをよく考えて判断しましょう。
生命保険を必要とする人を確認
公的保障が充実している日本では、生命保険への加入は不要だと考えがちです。しかし、必ずしも生命保険への加入が必要ない人ばかりではありません。
必要なのに未加入の場合、病気やケガによって生活が立ち行かなくなってしまうこともあるので注意しましょう。とは言っても、自分に生命保険が必要かどうか、判断に困るものです。以下の条件に当てはまる人は、生命保険の必要性が高いので加入を検討してください。
生命保険を必要とする人・おすすめの人:
- 扶養家族がいる人
- 個人事業主やフリーランス
- 老後資金を積み立てたい人
扶養家族がいる人
とくに子供が居る家庭では、生計をたてる大黒柱が死亡すると、教育費の捻出ができなくなってしまうケースが少なくありません。費用面から希望する進学先を諦めなければならないケースも多いものです。
死亡後の家族の生活を保障できるだけの十分な費用をすぐに用意するのは難しいので、死亡保険での準備をおすすめします。また、病気やケガによってかかる医療費や働けなくなることで起こる収入減に備えた生命保険への加入も必要です。
個人事業主やフリーランス
働き方が多様化し、個人事業主やフリーランスとして働く人も増えてきました。雇用契約ではない分自由な働き方ができるのがメリットですが、公的保障が充実しているとは言い難いため注意が必要です。
たとえば、病気やケガで一定期間働けない場合に支給される傷病手当金は、国民健康保険加入者は対象ではありません。もちろん有給休暇もないため、個人事業主やフリーランスの人は、働けなくなると収入が途絶えてしまいます。
十分な貯蓄がなければ生活できなくなってしまうので、生命保険での備えが必要です。また、死亡時に受給できる遺族年金も、遺族基礎年金のみで生活に十分な金額とは言えません。
公的保障が充実していない個人事業主やフリーランスこそ、生命保険へ加入しておく必要があると言えるでしょう。
老後資金を積み立てたい人
老後2,000万円問題が記憶に新しいなか、将来のために貯蓄をしておきたいと考えている人も多いのではないでしょうか。しかし、近年の著しい物価高で、なかなか貯金が増えないと悩む人も少なくありません。
そんな人は、保険料の一部が貯まる貯蓄型の生命保険がおすすめです。保障を確保しつつ貯蓄もできるため、継続しやすいでしょう。
また、老後、公的年金に上乗せし支給される個人年金保険もおすすめです。個人年金保険は契約者に万が一のことがあっても、遺族が保険金を受け取れるため、死亡保障としても活用可能です。
保険は必要な保障だけを選べば安く抑えられる
保険は人生で2番目に高い買い物だと言われており、毎月の保険料は家計の大きな負担になることも少なくありません。しかし、加入していないと、万が一のときに大きな経済的負担がかかってしまいます。
保険加入で気をつけるべきポイントは、必要な保障だけを選ぶことです。必要な保障だけを選んで生命保険に加入すれば、保険料を安く抑えられます。
ただし、保険料に重点を置きすぎて、保障内容が薄くならないように注意しましょう。また、必要な保障はライフイベントごとに異なるため、定期的に保険内容を見直してください。
まとめ:生命保険は将来を考えると必要。自分が必要とする保障を考えよう
人生で2番目に高い買い物と言われるだけあって、生命保険の費用は高額になりがちです。不要と言われることも多いだけに、加入する必要はないのではないかと考える人も多いでしょう。
しかし、万が一の事態に陥ったとき、医療費の捻出や収入減少による生活費が大きな負担となるケースは少なくありません。自分だけでなく扶養家族がいる場合は必要となる費用も高額になるため、生命保険の加入で備えておくことをおすすめします。
生命保険は保障内容によって保険料が増減するため、必要な保障について検討することが重要です。無駄がないよう、保障内容の定期的な見直しも徹底してください。
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