給与明細が貰えないのは違法?会社に発行してもらうにはどうすれば良いのか解説

柴田 剛秀

著者:
柴田 剛秀(シバタタカヒデ)

桜井 鉄郎

監修者:
桜井 鉄郎(サクライ テツロウ)

投稿日:2024/3/10 更新日:2024/3/14

働くと基本的に従業員は給与明細が貰えます。しかし、稀に給与明細を発行しない会社が存在します。

給与明細が貰えないと自分の手取り額や残業代、社会保険料など、自分に対してどれだけの給与が支払われているかまったくわかりません。

結論から言うと、給与明細を発行する義務は会社にあります。

この記事では、給与明細の発行義務についてや罰則、給与明細の記載内容など、詳しく解説します。給与明細が会社から貰えなくて困っている方は、ぜひ参考にしてください。

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会社が給与明細を発行しないのは違法!

会社に対して、労働基準法において給与明細の発行は義務付けされていません。

しかし、所得税法では、給与を支払う者は給与の支払を受ける者に、支払明細書を交付しなくてはならないときちんと定められています。ですので、会社が給料明細を発行しないのは違法となり、給与明細は基本的に発行する義務があります。

給与明細には、給料がいくら支払われたか、残業代、交通費、社会保険料や所得税など、重要な内容が記載されています。

確定申告や年末調整の時に必要な情報も多いので、しっかりと内容を確認し、保管しておくことが大切な書類になります。

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給与明細に関する会社側の義務・罰則は?

給与明細に関する会社側の義務と罰則を詳しく解説します。

従業員側もしっかり理解することが大事です。

  1. 業員全員に給与明細を交付する義務
  2. 給与の支払いまでに給与明細を交付する義務
  3. 給与明細関連の書類の保管義務
  4. 給与明細を発行しなかった場合の罰則

従業員全員に給与明細を交付する義務

会社は従業員全員に給与明細を交付する義務があります。

所得税法231条にて、会社には給与明細書を交付する義務が定められており、給与明細書を交付しないのは、所得税法違反となります。

現在では、給与明細の電子化が進んでいる会社もあり、紙の配布から電子メールやPDF、クラウドなどの電子データに変換して交付されていることもあります。

給与の支払いまでに給与明細を交付する義務

給与明細には交付期限があり、所得税法施行規則100条1項によると、給与明細は給与の支払いの時に、その支払いを受ける者に交付しなければならないとされています。

つまり給与の支払日が25日の場合、給与明細は毎月25日までに交付をする必要があるということです。

給与明細を確認し、勤務時間や出勤日数、残業代など、しっかりと確認し、間違っている場合は、早めに会社に申し出る必要があります。そのため、給与明細は支払いまでに交付する必要性があります。

給与明細関連の書類の保管義務

会社側に給与明細の保管義務はありません。

しかし、給与明細は従業員に給与を支払ったという証明になるので、保管している企業が大半です。主に給与支払い額が間違っていた場合や、従業員からの未払い金請求の際に証拠書類として提出することが多いでしょう。

未払い賃金は、過去5年間まで遡って請求することができるので、思い当たる方は早めに会社に請求するようにしてください。

給与明細を発行しなかった場合の罰則

給与明細を発行しないと、所得税法違反となり罰則となります。

給与明細の不交付や、虚偽の記載をして交付をした場合、所得税法242条7号の規定により、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科されます。

例えば「給与明細が発行されない…」「給与明細を希望しているのに、まったく貰えない…」など、給与明細が発行されていない場合、所得税法違反となり罰則が会社に課せられます。ですので、給与明細の発行を会社側に訴えるのは、従業員の権利です。

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給与明細には何が記載されているのか?

そもそも給与明細には何が記載されているか詳しく知っているでしょうか?

給与明細には大切な内容が記載されています。

ぜひこの機会に給与明細の中身を知り、しっかり確認してください。

  1. 控除額
  2. 支給額
  3. 勤怠状況<

控除額

給与明細に記載されている控除額とは支給額から控除額を引いた、いわゆる手取りと言われる額です。

厚生年金や健康保険、雇用保険や介護保険などの社会保険料や所得税、住民税など、あらゆるものが支給額から引かれます。

総支給額から社会保険料や税金が引かれた額が控除額で、年末調整や確定申告の際に必要なものになってきます。

支給額

支給額は全てを足した会社が従業員に支払う金額です。

基本給、交通費、残業代、休日労働手当や住宅手当など各種手当などもこちらに足されます。

支給額から社会保険料や税金が引かれた額が、控除額となります。給与明細には「総支給額」や「支給額合計」と記載されていることが多いです。

勤怠状況

給与明細には勤怠状況が記載されています。

勤怠には出勤や欠勤日数、実働時間や残業時間などが詳しく載っていて、勤怠状況を基に給与は計算されているので、実際の勤務時間や日数が合っているかしっかり確認しましょう。

勤怠状況が間違っていると、そのまま給与に反映され、働いた分きちんと払ってもらえていないこともあるので、勤務時間や日数をメモなどに残しておくと安心です。

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給与明細が貰えない場合にするべきこととは?

給与明細が貰えないと困っている場合に、するべきことをご紹介します。
まずは次の2点を実行してみてください。

  1. 会社に給与明細を発行するように掛け合う
  2. 労働基準監督署に相談する

会社に給与明細を発行するように掛け合う

給与明細が貰えない場合、まずは会社に相談してみましょう。会社側も故意で発行していないのではなく、漏れてしまっていたり、電子化しており紙ベースで発行されていないだけということもあります。

電子化への切り替え時期など、従業員にきちんと伝わっておらず給与明細が発行されていないと勘違いしてしまうこともあるので、まずは会社に確認することが大切です。

会社に相談する場合は、まずは上司や経理の方に相談し、状況が変わらない場合は、会社の相談窓口に伝えてみましょう。

労働基準監督署に相談する

上司や経理、会社側にしっかりと訴えてみたけれど給与明細が貰えない場合は、労働基準監督署に相談しましょう。

会社は従業員に給与明細を発行しないと所得税法違反にあたるので、給与明細が貰えない場合はしっかり主張する権利があります。

労働基準監督署に相談し事実を確認の上、会社に指導が入るので、会社側も労働基準監督署から指導が入れば、動かざるを得ないので給与明細の発行をしてくれるはずです。

直接窓口に相談しにいけばスムーズですが、忙しく出向けない方は電話やメールで相談することもできるので、給与明細が発行されず困っている方は今すぐに相談してください。

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給与明細の保管義務は?

給与明細の保管義務はありません。しかし、従業員からの問い合わせや再発行を求められた時に対応しやすいので、主に5年間保存している会社が多いです。

保管義務のある賃金台帳の保管期間が5年であることと、従業員が確定申告をする場合の還付・控除の時効が5年なので、5年間給与明細も一緒に保管している場合がほとんどです。

また、従業員から未払い賃金を請求された場合、給与を支払った証拠として給与明細が使われることもあるので、給与明細の保管は会社側にとっても大切です。

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まとめ

給与明細を発行しないのは所得税法違反で、会社に罰則が課せられます。1年以下の懲役又は50万円以下の罰金となります。

給与明細は従業員が貰える列記とした義務です。もし、給与明細が貰えなくて困っているなら、すぐに会社に請求をしましょう。もし、会社側がまったく対応してくれないなら、労働基準監督署など外部機関に相談することが重要です。

ぜひこの記事を参考にして、自分の給与明細はしっかり会社に発行してもらいましょう。

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著者

柴田 剛秀

柴田 剛秀(シバタタカヒデ)

大手来店型保険ショップに8年間勤務。
1000組以上の保険相談・資産運用・ライフプランニング
をしてきました。
これまでの経験を活かし、特定の商品にこだわることな
く真のライフパートナーとして、お客様にとって大切な
現在・未来の安心をご提供致します。
妻(同い年)・長男(10歳)・長女(5歳)の4人家族
【経歴・資格】AFP・宅地建物取引士
【得意分野】資産形成、資産運用、生命保険、不動産投資
【趣味】漫画、テニス

監修者

桜井 鉄郎

桜井 鉄郎(サクライ テツロウ)

プライム上場の金融機関に勤務、主に住宅ローンの相談販売を担当。
顧客に対し最適資金計画を提案、マイホーム購入に関連する法令・税額控除制度等について説明。
これらの経験を活かし金融・不動産に特化したライターとして活動中。
保有資格:1級ファイナンシャルプランニング技能士、宅地建物取引士、証券外務員1種