必要な保険は3つだけって本当?加入すべき理由と合わせて解説

柴田 剛秀

著者:
柴田 剛秀(シバタタカヒデ)

桜井 鉄郎

監修者:
桜井 鉄郎(サクライ テツロウ)

投稿日:2024/3/10 更新日:2024/3/14

いざというときに頼りになる保険。世の中にはたくさんの商品がありますが、自分や家族にとって本当に必要な保険はどれか見極めるのは難しいものです。

実は、人生に必要な保険は3つだけだと言われています。

この記事では人生に必要な3つの保険についてそれぞれ詳しく解説していきます。

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必要な保険3つとは?

保険はリスクに備えて入るものとされていますが、自分が生きていく上で持っている大きなリスクは3つあると言われています。

それは、公的保険でカバーできないような高額の治療費や補償が必要になるケースや、火事など予測できない災害が起きたとき、そして不慮の事故などで自分や家族が亡くなってしまうときです。

下記の3つの保険がこれらのリスクに対応しています。

  1. 自動車保険
  2. 火災保険
  3. 生命保険

それでは一つ一つの保険について内容を見ていきましょう。

自動車保険

自動車保険には加入義務のある自賠責保険(自動車賠償責任保険)と、任意で加入する自動車保険があります。

自賠責保険の保証範囲はとても狭いので事故が起きたときの保障として十分とは言えません。

万が一、交通事故で自分が加害者になってしまうと慰謝料、治療費、逸失利益、休業損害、対物保障などさまざまな費用をすべて自分で負担することになってしまい、その後の人生設計に大きな影響を与えてしまいます。

必ず自賠責保険では補償されない賠償分や自損事故や対物賠償などをカバーできる自動車保険に加入するようにしましょう。

火災保険

火災保険は、火災や一部の自然災害、盗難などによる損害をカバーし、住宅の修理や再建の費用などを補償する保険です。

全国的に火災は減少傾向にあり、令和4年の出火件数は10年前ので82.2%となっていますが、建物焼損床面積は10年間でほぼ横ばい、火災による損害額は10年前より増えています。

いつどこで火災に見舞われるかわからないので、自分の家や財産を守るためにも火災保険に必ず加入するようにしましょう。

ただし、一般的な火災保険だけでは地震、噴火、津波を原因で火災が起きた場合の保障はありませんので、地震などが心配な方は地震保険にも加入する必要があります。

出典:総務省消防庁「消防白書 令和5年」

生命保険

生命保険(死亡保険)とは、加入者が亡くなった際に家族や遺族に一定の金銭を支給する保険です。

一家の大黒柱が不慮の出来事で亡くなってしまった場合、残された家族の生活費や子どもたちの学費、ローンの返済などをカバーして経済的な苦境に陥らないようにするための保険です。

残された家族をサポートする仕組みとして遺族年金などがありますが、突如として収入が途絶えてしまったあとの生活費や教育費を考えると、それだけでは十分ではない可能性が高くなります。

万一のことを考えると、家族の安定した生活のために生命保険に入るのは必須と言えるでしょう。

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必要な保険が3つに絞られるのはなぜ?

不測の事態に備えることができる保険は私たちの生活に欠かせないものですが、たくさんの保険の中から本当に必要なものだけを選ぶと、その種類は3つに絞られます。

その理由は、人生に大きな影響を与えうるリスクというものが現代社会においては大きく3つあるからです。その3つとは、交通事故、火事などの災害、不慮の死です。

もしこの3つの内のどれかが不運にも起きてしまったときには、個人の貯蓄や手持ちの資金だけで賄うことができない可能性が高いので、保険の手を借りて備えておく必要があるでしょう。

日常生活での最も重要なリスクに対処するための基本的な保険であり、保険料と補償額のバランスが取れるため、これらの3つの保険が基本的な保険プランの要素として一般的に認識されています。

ここでは、なぜこの3つの保険に入ることが人生にとって重要なのかを以下の4つの点から解説していきます。

  1. 保険が必要になるリスクが異なる
  2. 保険料と保険で貰える金額が釣り合わない
  3. 闇雲に保険に入ると貯蓄ができず本末転倒になる
  4. 公的保険や制度が充実している

保険が必要になるリスクが異なる

保険にはたくさんの種類がありますが、自動車保険、火災保険、生命保険は、それぞれが生活上の異なるリスクに対応しています。

車の事故や住宅の災害、残された家族の経済的困窮のリスクなどに備える必要はもちろんありますが、実際に事故にあったり死亡する可能性、火災に見舞われる可能性は低いと考えられています。

可能性は低いがゼロではないリスクであり、万一それが起きたときの被害が大きくなりうるので、最低限、この3つの保険に入ることが提唱されているのです。

保険料と保険で貰える金額が釣り合わない

保険を選ぶときには、保険料と補償額のバランスを考えることが重要です。

自動車保険、火災保険、生命保険の3つの保険は一般的に最も効率的で費用対効果の高い選択肢となります。

基本的に保険制度というものは、少額でお金を出し合って必要になった人がお金をまとめて使えるようにする制度なので、将来において自分がお金を受け取らない可能性もあるわけです。

保険を費用対効果という視点で考えてみると、その他の多くの保険は必要性とコストのバランスが取れていないことがあるのです。

闇雲に保険に入ると貯蓄ができず本末転倒になる

保険は長期の人生計画に基づいて計画的に選択することが望ましく、行き当たりばったりで保険に加入するとかえって支出が増えてしまいます。

毎月の支出が増えると今度は貯蓄や投資の機会を逃すことにもなり、それでは本末転倒です。

保険はあくまで自己資金で賄うことのできない金額をカバーするために加入するものですので、十分な貯蓄と適切な資金運用ができているのであれば、闇雲に保険に加入する必要はありません。

保険の検討をする際にはまずバランスの取れた財務計画を立て、保障内容をよく吟味し、十分に考慮した上で必要なだけの保険を契約しましょう。

公的保険や制度が充実している

日本ではすべての国民が公的医療保険に加入する「国民皆保険制度」を実施しています。

公的医療保険は国民健康保険・健康保険・共済組合・後期高齢者医療制度等の種類があり、保障内容や給付制度に違いがあります。

病気やケガの治療、入院費、高額療養費などはどの保険でもある程度の金額までカバーされているので日本の公的医療保険制度は充実しているといえます。

しかし、保険の種類によっては出産手当金や傷病手当金が適用外となったり、先進医療は全額自己負担だったりすることから、公的医療保険だけでは保障が足りないということもあるかもしれません。

今の自分や家族に適用されている公的保険の内容を知り、それ以上の保障が必要ならば民間の保険への加入を検討するのがよいでしょう。

自動車事故などで損害賠償責任が生じた場合や相手の休業損害費用が生じた場合には相手に賠償額を支払う必要があります。

これはすべての自動車に加入が義務付けられている自賠責保険には含まれていません。

また、家や財産を火事などの災害で失った場合に保険金が支払われる火災保険は公的な保険制度には含まれていません。

公的保険や制度が充実していても、自動車保険と火災保険については自分で加入する必要があります。

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保険は保障内容によって必要性を考えることが大切

保険の加入を検討するときには、その保険の保障内容をよく吟味して自分と家族の目的に見合った保険であるかどうかを見極めることが大切です。

ライフステージや家族の状況によって必要な保障内容が変わっていくこともあります。ここでは保険を検討する際に考慮すべき7つの内容について解説します。

生命保険は目的を明確にして加入する

生命保険には医療保障、死亡保障、老後保障などさまざまなタイプがあります。

加入の目的に応じて適切な生命保険商品を選択することが重要です。

医療保障

病気やケガの治療費、入院費や先進医療費などを考慮してどこまでの保障が必要か検討します。

治療時だけでなく治療期間すべてに渡る費用負担を軽減することや、入院することによって失われる収入(逸失収入)の保障なども考慮して適切な保険を選びます。

死亡保障

家族や遺族の生活を守るための死亡保障は貯蓄型や定期型、収入保障型があります。

子どもの就職や定年退職などのライフプランから適切な保障内容の保険を選びます。

老後保障

老後の生活に備えるなら病気やケガの保障の他、自分や家族の介護費用、葬祭費用や身辺整理費まで考える必要が出てきます。

退職後の生活がリスクにさらされないように、将来に向けて一定の資金を確保するための老後保障を検討しましょう。

ライフステージによって必要な保険が異なる

保険の種類や保障はライフステージによっても必要なものが変わってきます。

独身であれば生命保険よりも自動車保険が重要ですし、子供がいる場合は生命保険がより重要となります。

ここでは、ライフステージに応じてどのような保険を選択すればよいかを解説します。

独身の人

独身の場合、大きな死亡保障などは必要ないのである程度の医療保障と就業不能保険、自動車保険や家がある場合は火災保険があるとよいでしょう。

また、将来の病に備えるならがん保険などに入るのもおすすめです。

既婚で子供がいない人

既婚で子供がいない場合、共働きであれば保険の内容は医療保障と就業不能保険、火災保険や自動車保険など独身の場合の保険と同じものでよいでしょう。

もし配偶者が働いていない場合やすぐにでも子供が欲しい場合は万一のときに配偶者や子供が安心して暮らせるように手厚い医療保障や死亡保障を加えるのがよいでしょう。

既婚で子供がいる人

既婚で子供がいる場合は、生命保険と就業不能保険、火災保険と自動車保険に加えて学資保険などの教育費をカバーする保険が必要です。

また、子供が成人するタイミングに合わせて老後資金の準備に移行できるようにあらかじめ保険の内容を吟味しておきましょう。

既婚で子供が独立した人

子供が独立したらその後は退職後の生活や病気、ケガのときの入院費と治療費、自分と家族の介護費用などが重要になります。

内閣府のレポートによると2050年に日本人の平均寿命は女性が90歳、男性が84歳を超えるだろうと言われており、退職後の人生を安心して生きるための対策を十分に練っておく必要があるでしょう。

出典:内閣府 「令和5年版高齢社会白書(全体版)」

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保険に加入するときに注意すべきこと

保険に加入する際には補償内容や支払い条件などをよく確認して、自分の望む形でリスクヘッジができているかしっかりと吟味して確かめましょう。

保険の契約上、特に注意するべきことは以下の2点です。

  1. 保障額と補償内容を把握する
  2. 加入する目的を明確にしておく

保障額と補償内容を把握する

各保険商品の保険内容や補償範囲を十分に理解することが重要です。

保険料だけでなく、補償されるリスクや補償額、免責金額、保険金の支払い条件なども確認しましょう。

加入する目的を明確にしておく

保険にはさまざまな種類があり、それぞれ異なる目的があります。

加入する前に保険の目的を明確にし、自身や家族の状況に合った保険の種類を選べているか、それぞれについて適切な補償内容となっているかを確認しましょう。

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まとめ

ここまで、自動車保険、火災保険、生命保険の3つが安心できる暮らしのために必要である理由と、保険を選ぶ際の注意点についてご紹介してきました。

人生の大きなリスクに効果的に対処できる保険を契約するには、保険料や補償額だけに留意するのではなく、費用対効果のバランスを取りながら、自分や家族の状況やニーズを考慮して最適な保険を選択していくことが重要です。

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著者

柴田 剛秀

柴田 剛秀(シバタタカヒデ)

大手来店型保険ショップに8年間勤務。
1000組以上の保険相談・資産運用・ライフプランニング
をしてきました。
これまでの経験を活かし、特定の商品にこだわることな
く真のライフパートナーとして、お客様にとって大切な
現在・未来の安心をご提供致します。
妻(同い年)・長男(10歳)・長女(5歳)の4人家族
【経歴・資格】AFP・宅地建物取引士
【得意分野】資産形成、資産運用、生命保険、不動産投資
【趣味】漫画、テニス

監修者

桜井 鉄郎

桜井 鉄郎(サクライ テツロウ)

プライム上場の金融機関に勤務、主に住宅ローンの相談販売を担当。
顧客に対し最適資金計画を提案、マイホーム購入に関連する法令・税額控除制度等について説明。
これらの経験を活かし金融・不動産に特化したライターとして活動中。
保有資格:1級ファイナンシャルプランニング技能士、宅地建物取引士、証券外務員1種