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個人向け国債の2つのリスク!購入する3つのメリット・3つのデメリットを解説

柴田 剛秀

著者:
柴田 剛秀(シバタタカヒデ)

楠本学

監修者:
楠本学(クスモトマナブ)

投稿日:2023/10/25 更新日:2024/2/8

「個人向け国債にはどんなリスクがあるのか知りたい」
「個人向け国債のメリットを知りたい」
上記のような疑問を抱えていませんか。

個人向け国債は個人が購入できる国債であり、低リスクで安定した運用を望む方に適しています。大きなリターンは期待できませんが、元本保証と一定の利息がメリットです。

本記事では、個人向け国債の概要や購入するメリット・デメリット、購入する方法について解説します。本記事を読むことで、個人向け国債の特徴を理解でき、自分で購入するかどうか判断できるでしょう。

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個人向け国債とは?特徴と種類を解説

個人向け国債とは、個人向けに発行された国債のことです。国債とは、国がお金を借りるために発行する金融商品のことを指しています。

国が投資家から資金を集める際に「お金を貸しました」という証明として発行される証券の一種です。国債の満期がくると、国は投資家に元本を返し、この間に発生した利息も一緒に支払います。本章では、個人向け国債の仕組みや3つの種類について解説します。

個人向け国債とは?

個人向け国債は、一般の投資家が購入可能な国債です。安全性が高く、利息収入が得られます。購入は郵便局や銀行ででき、手軽に国への投資を行えます。

満期時には元本が返還され、安定した運用が期待できます。個人向け国債は、1万円単位で購入でき、最低でも1万円から購入可能です。

発行日から半年後から、半年ごとに利子が支払われ、満期には元本が返されます。利子には0.05%の最低保証があり、発行から1年後には途中で換金可能です。

個人向け国債は国が利子と元本の返済を保証しているため、他の金融商品に比べてリスクが低いです。

個人向け国債の3つの種類

個人向け国債は、以下の3種類があります。

  • 固定3年
  • 固定5年
  • 変動10年

「固定5年」と「固定3年」は、発行時の利率がそれぞれの満期まで一定です。そのため、償還年限はそれぞれ発行後5年と発行後3年です。

「変動10年」は、半年ごとに利率が変動します。償還年限は、発行後10年になります。償還年限とは、債券の発行者が保有者に対してお金を返還する日のことを指しています。

通常、償還年限は債券が発行される際に決定されます。また、発行日から償還日までの期間(年数)を「償還期間」や「償還年限」と言います。

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個人向け国債が抱える2つのリスク

個人向け国債を購入する場合、リスクもあるため、前もって把握しておく必要があります。リスクには、国債の市場価値の変動やデフォルトなどがあります。

  1. 金利の変動リスク
  2. デフォルトリスク

それぞれのリスクを詳しく確認します。

①金利の変動リスク

国債には、個人で購入できるものと法人と個人どちらも購入できるものの2種類があります。法人やマンションの管理組合など、購入者に制限がない国債のことを新窓販国債と言います。

新窓販国債の場合、金利が上がるとその市場価格は下がる点が特徴です。金利が上がると、より高い利益が見込める投資商品が増え、その結果、低金利の国債の価値が相対的に減少します。

実際、2022年は、世界的なインフレが影響して金利が上昇したことで、それに伴い国債の価格は低下しました。国債を満期まで保有すれば元本は保証されますが、途中で市場に売る場合、損失を出す可能性があります。

②デフォルトリスク

個人向け国債を購入する際には、デフォルトリスクがあることを把握する必要があります。国債は国が発行するものですが、国が経済的に困難に陥り、返済が不可能になった場合、元本が戻りません。そのことをデフォルトリスクと言います。

日本政府の債務は、現在1,000兆円近くに達しており、債務が増加し続ける中で、日本政府が経済的に困難になる可能性について心配する声もあります。それでも、多くの人々は、日本の国債がデフォルトするリスクは低いと考えています。

その理由として、日本が経常収支で黒字を保っており、日本銀行や国内の金融機関が国債の大部分を保有していることから、国内で国債を処理できる可能性があるからです。

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個人向け国債を購入する3つのメリット

個人向け国債にはリスクがありますが、メリットも存在しています。個人向け国債は、少額から投資でき、銀行預金よりも金利が高いなどのメリットがあります。

そのため、投資初心者や銀行にばかりお金を預けている人に向いているでしょう。ここでは、個人向け国債を購入するメリットを3つ紹介します。

  1. 少額から投資ができる
  2. 購入・管理に手数料が必要ない
  3. 銀行より金利が高い

それぞれ詳しく解説します。

①少額から投資ができる

少額から投資ができるため、個人向け国債は資産運用の手段として手軽に始められます。国債は低リスクで安定した利回りが見込め、少額から購入可能であるため、多くの人にとって利用しやすい投資先です。

例えば、1万円から購入できる商品も存在し、初めて投資を始める方でも、負担が少なく始められます。そのため、少額から始められる個人向け国債は、資産形成の第一歩として、また、資金の拡大手段として有効でしょう。

②購入・管理に手数料が必要ない

購入・管理に手数料が不要であるため、個人向け国債はコストパフォーマンスに優れた投資です。多くの投資商品では購入時や管理において手数料が発生しますが、個人向け国債では手数料がかからないため、投資の障壁が低く初心者にもおすすめです。

例えば、株や投資信託では購入手数料や管理費がかかりますが、個人向け国債ではコストがゼロです。そのため、投資初期コストを抑えられ、より多くの利益を期待できます。

そのため、手数料の心配がない個人向け国債は、資産運用を始める際の初期負担を軽減し、利益の最大化を図る上で有益な選択肢であると言えます。

③銀行より金利が高い

個人向け国債は、一般的な銀行預金よりも金利が高いため、より魅力的な選択肢です。銀行預金の金利は、近年、非常に低い水準にあります。

それに対し、個人向け国債は安定性を保ちながらも、比較的高い金利を提供しています。一部の銀行預金が年0.1%未満の金利であるのに対し、個人向け国債は年1%以上の金利が期待できるでしょう。

同じ金額を投資した場合、国債の方が利益が見込めます。銀行預金よりも金利が高い個人向け国債は、資産の増加を期待している投資家にとって、非常に魅力的な選択肢であると言えるでしょう。

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個人向け国債を購入する3つのデメリット

個人向け国債を購入する際には、メリットだけではなくデメリットを把握することが大切です。個人向け国債は、1年間中途換金できないことや大きなリターンが得られないことなどがデメリットです。ここでは、個人向け国債を購入するデメリットを3つ紹介します。

  1. 原則1年間は中途換金できない
  2. 中途換金すると利息が減る
  3. 大きなリターンは望めない

それぞれ詳しく解説します。

①原則1年間は中途換金できない

個人向け国債のデメリットの1つとして、原則として1年間は中途換金ができない点が挙げられます。国債が安定した運用を目的としているため、短期間での売却を制限することで、市場の安定を図っています。

購入者は資金の使い方に制限がかけられるため、急な出費があった場合、現金化できず、その期間資金を利用できません。

そのため、原則1年間の中途換金制限は、資金の流動性を求める投資家にとっては、考慮すべきデメリットとなり得るでしょう。投資を計画する際、資金計画の見直しや、他の資産とのバランスを考慮する必要があります。

②中途換金すると利息が減る

個人向け国債には、中途換金すると利息が減少するというデメリットが存在します。国債は長期保有を前提とした商品であり、早期に換金することで、利息が減額される仕組みです。

国債の安定性とリターンを保証するための措置です。例えば、5年物の国債を3年で売却した場合、当初予定されていた利息よりも低い額が支払われます。

そのため、投資利益が期待した額に届かないリスクがあります。中途換金による利息の減少は、資産運用の計画や目標に影響を与える可能性があり、投資家は十分な検討と計画が必要です。

個人向け国債を選択する際は、デメリットを理解し、適切な投資期間を見極めることが重要です。

③大きなリターンは望めない

個人向け国債のデメリットとして、大きなリターンが望めない点が挙げられます。国債は低リスクな投資商品であるため、リターンも比較的低めに設定されています。

株式投資といった投資手段に比べると、利益率は抑えられる傾向にあります。例えば、個人向け国債の利回りが1%であったとしても、株式投資では年間10%以上のリターンを狙うことも可能です。

しかし、リターンが大きいほどリスクも大きくなります。そのため、大きな利益を求める投資家にとって、個人向け国債はリターンが低い点がデメリットです。

安定した投資が望ましい方やリスクを避けたい方にとっては、魅力的な選択肢となり得るでしょう。

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個人向け国債の購入方法

個人向け国債について解説してきましたが、購入方法を知りたい方もいるでしょう。購入する前に、購入できる時期や流れを理解していると、スムーズに購入できます。まず、購入できる場所と時期を解説し、購入の流れを紹介します。

購入できる場所と時期

個人向け国債を購入できる場所は主に以下の金融機関です。

  • 証券会社
  • 都市銀行
  • 信託銀行
  • 地方銀行
  • 第二地方銀行
  • 信用金庫
  • 信用組合
  • 労働金庫
  • JAバンク
  • ゆうちょ銀行

個人向け国債は上記の金融機関で購入できるため、購入場所に困ることはありません。個人向け国債は、毎月新たに募集が開始され、その募集が終了する月の次の月に発行されます。

具体的には、募集期間は、月の初めに発行条件が公表される日の次の営業日から、月末の最終営業日までとなっており、約1ヶ月間となります。

購入の流れ

国債を初めて購入する際には、証券会社や銀行などの金融機関で、国債専用の口座を開く必要があります。口座を開設する際には、本人確認ができる書類(運転免許証や健康保険証など)やマイナンバーカード、印鑑などが必要です。

さらに、国債を購入するときには、購入代金や預金通帳、印鑑も準備しておきましょう。何を準備するべきか、不明な点があれば、購入予定の金融機関に事前に問い合わせておくと、スムーズに手続きできます。

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個人向け国債のリスクを把握したうえで購入しよう

本記事では、個人向け国債の概要や購入するメリット・デメリット、購入する方法について解説しました。個人向け国債とは、個人投資家向けに発行された国債のことです。

個人向け国債のメリットには、少額から投資できることや銀行よりも金利が高いことなどが挙げられます。一方で、国が破綻することで起こるデフォルトリスクや金利リスクなど注意点もあります。

個人向け国債を購入する際は、購入するリスクとメリットを理解したうえで、個人向け国債を購入しましょう

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著者

柴田 剛秀

柴田 剛秀(シバタタカヒデ)

大手来店型保険ショップに8年間勤務。
1000組以上の保険相談・資産運用・ライフプランニング
をしてきました。
これまでの経験を活かし、特定の商品にこだわることな
く真のライフパートナーとして、お客様にとって大切な
現在・未来の安心をご提供致します。
妻(同い年)・長男(10歳)・長女(5歳)の4人家族
【経歴・資格】AFP・宅地建物取引士
【得意分野】資産形成、資産運用、生命保険、不動産投資
【趣味】漫画、テニス

監修者

楠本学

楠本学(クスモトマナブ)

楠本 学 くすもとFP事務所
FP1級技能士/AFP/証券外務員
・日本FP協会主催「CFP30周年記念プロモーション動画コンテスト 最優秀賞受賞」
・商品を販売しない独立系ファイナンシャルプランナーとして、資産運用・家計管理・住宅購入・保険見直しなど、次々と押し寄せる不安の波を、お客様の立場に立って将来にわたり安心できるアドバイスを行っている。
FP志望者の育成・教育にも携わっており、FP資格試験対策本も出版。