「電気料金ってどうやって決まるの?」
「家庭での平均的な電気料金っていくら?」
「節電に効果的な方法って何?」
自宅の電気代が高すぎなのか、自分だけでは判断が難しいです。電気代の無駄遣いで、やりたいことができないことは避ける必要があります。
自宅の電気代の目安は、同じ人数構成の世帯における平均額から判断できるでしょう。
今回は、電気代の仕組みとともに、世帯人数別の電気代における平均額や節電のポイントを解説します。この記事を読むことで、生活の質を低下させることなく、無理なく電気代の節約を進められるようになります。
CONTENTS
電気代が決まる仕組みとは?3つの料金を解説
電気代は、大きく3つの料金項目で構成されています。電気料金を示す電気ご使用量のお知らせや検針票でも確認できる3つの料金は以下の通りです。
3つの料金:
- 基本料金・電力量料金
- 燃料費調整額
- 再生可能エネルギー発電促進賦課金
電気代の節約を進めるうえで、料金項目の意味や消費電力量の節約がどの料金に影響するのかを把握しておくのは重要です。使用電気量の節約が電気料金のどの項目に影響するのか、どの程度の効果があるのかを確認しておきましょう。
電気代の内訳①:基本料金・電力量料金
電気代の大部分を占めるのが基本料金と電力量料金です。電気利用について契約する場合、基本料金として選択する方式が2種類あります。
基本料金の方式:
- アンペア制:一度に流れる電気量の量を意味するアンペアの大きさに合わせて、基本料金が設定される方式
- 最低料金制:契約アンペア数にかかわらず、一定の電気使用量分の費用が基本料金として設定されている方式
一方、電力量料金は電気使用量と単価で計算される従量課金の料金です。契約プランにより電力量料金も変わる場合が多いため、自身の生活に最適なプランでの契約が電気代の最適化につながります。
電気代の内訳②:燃料費調整額
燃料費調整額は発電燃料費用の価格変動に合わせて、電気代に増減される費用項目です。燃料費調整制度に基づいており、燃料調達価格の増減を電気代に反映されます。
電力各社の燃料調達費用が高騰した際にも、経営的に安定して継続的な電力供給を目指しています。
1月から3月までの3ヶ月間の燃料価格の平均値と基準値に差異が発生すると、5月の電気代に反映される仕組みです。
電気代の契約プランでは、燃料費調整額が増えた場合に上限があるケースとないケースがあるため、確認が必要です。
電気代の内訳③:再生可能エネルギー発電促進賦課金
再生可能エネルギー発電促進賦課金は、再生可能エネルギー由来の電力を買い取る費用の一部を電気利用者が負担している費用です。「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」に規定されており、発電の拡大を図るために設けられている費用項目です。
課金単価は国が毎年算出しており、使用電気量に再生可能エネルギー発電促進賦課金単価を乗じた金額が請求されます。2012年の制度開始後単価は毎年増加していましたが、2023年度は初めて前年度から減少して1.4円/kWhになりました。
関連記事:【徹底解説】新電力のメリット・デメリットは?契約を切り替えて電気代を節約しよう
【世帯人数別】1ヶ月の電気代の平均額
節電の必要性を理解するうえで、自宅の電気代を同じ人数構成の世帯の平均額と比較するのが効果的です。もし、同じ人数の世帯よりも電気代が高いならば、無駄に電気を利用している可能性が高いです。
ここでは、世帯人数が1人から5人までのケースの平均額を取り上げます。
世帯人数 | 平均電気代 |
---|---|
1人暮らし | 6,806円 |
2人暮らし | 12,233円 |
3人暮らし | 13,336円 |
4人暮らし | 14,265円 |
5人暮らし | 15,219円 |
出典:総務省統計局「家計調査 家計収支編 第1表 1世帯当たり1か月間の収入と支出」
出典:総務省統計局「家計調査 家計収支編 第3-1表 世帯人員別1世帯当たり1か月間の収入と支出」
まずは同じ世帯人数の平均額と自宅の電気代を比較して、電気利用量のムダがどの程度あるか把握してみましょう。
1人暮らし
2022年10月から2023年9月までの電気代を平均すると、1人暮らしにおける1ヶ月の電気代平均は約7,000円です。
1ヶ月 | 1年間 | |
---|---|---|
平均電気代 | 6,806円 | 81,672円 |
電気代には基本料金が設定されているため、1人暮らしと複数人で暮らす場合を比較すると、割高に見えやすいです。無理に電気代を節約しようとすると、生活に支障が出る恐れがあるため、まずは平均額に収めることを目指しましょう。
2人暮らし
2人暮らしの場合、1ヶ月の電気代平均は約1.2万円、1人当たりだと約6,000円を僅かに越える水準です。
1ヶ月 | 1年間 | |
---|---|---|
平均電気代 | 12,233円 | 146,796円 |
電気を使う人数が一人暮らしの2倍になり、使用電気量も増えた結果がそのまま電気代に反映されています。2人暮らしまでは、電気代と世帯の人数はほぼ正比例の関係であるといえます。
3人暮らし
3人暮らしの場合、1ヶ月の電気代平均は約1.3万円、1人当たりだと4,500円程度です。
1ヶ月 | 1年間 | |
---|---|---|
平均電気代 | 13,336円 | 160,032円 |
世帯人数が3人になると、2人暮らしよりも電気使用量が増えても、電気代が大幅に増えていません。これは、使用電気量が多くなると従量課金の単価が安価になるプランが多い点が作用していると考えられます。
4人暮らし
4人暮らしの場合、1ヶ月の電気代平均は約1.5万円、1人当たりだと3,700円程度です。
1ヶ月 | 1年間 | |
---|---|---|
平均電気代 | 14,811円 | 171,180円 |
4人暮らしは、3人暮らしよりも更に1人当たりの電気代が月当たり800円低下しています。使用電気量が多くなると従量課金の単価が落ちる電気代の料金形態により、電気代は高額になりにくい特徴が明確に現れています。
5人暮らし
5人暮らしの場合、1ヶ月の電気代平均は約1.5万円、1人当たりだと3,000円程度です。
1ヶ月 | 1年間 | |
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平均電気代 | 15,219円 | 182,628円 |
5人暮らしになると、1人暮らしと比較して、1人当たりの電気代は半額以下になります。まさに、一家で分散して暮らすよりも集合して暮らした方が、家族全体の電気代節約に大きな効果があるのは明白です。
関連記事:貯金できない人の3つの特徴!貯金の5つのポイントや方法を解説
電気代を節電する際の5つのポイント
電気代の節約は工夫次第では無理なく、効率的に進められます。節約を進めるために押さえるべきポイントは5つあります。
節電のポイント:
- 電気料金のプランを見直す
- エアコンの使用を避ける
- 省エネ・節電モード機能を活用する
- 電気料が高くなる時間帯は避ける
- 効率が良い電化製品を購入する
自身の生活状況や保有している家電、電力会社との契約内容に合わせて、できることから節電を進めていきましょう。
節電のポイント①:電気料金のプランを見直す
契約する電気料金プランの見直しは、電気代の節約に効果的です。電気料金単価が安いプランを契約できると、従量課金される料金を抑えられます。
たとえば、東京電力だと、夜間の電気料金単価が日中と比べて割安な夜トクプランがあります。日中、仕事で家電を利用する時間が短い人ならば、夜間時間帯に電気料金単価が安くなるプランへの切り替えはおすすめです。
電力自由化により、地域に関係なく好きな電力会社と契約できるため、契約中の電力会社に縛られずに検討しましょう。
節電ポイント②:エアコンの使用を避ける
エアコンは家庭の中で多くの電気を消費するため、エアコンの使用を少なくすることで電気代を大きく節約できます。環境省によると、エアコンの設定温度を1度緩和するだけで、冷房だと13%、暖房だと10%の削減が見込まれるとされています。
遮熱や断熱素材を活用して空調効果を高めたり、扇風機で室内の空気を循環させたりすると、設定温度の緩和が可能です。また、エアコンのフィルターが汚れていると稼働効率が悪化して消費電気量が増えるため、フィルターのこまめな掃除も有効です。
夏の気温上昇でエアコンを使わない選択は危険なため、設定温度を緩和する工夫を取り入れ、無理ない節電を進めましょう。
節電ポイント③:省エネ・節電モード機能を活用する
自宅にある家電が省エネモードや節電モードを備えているならば、積極的な利用がおすすめです。省エネモードや節電モードを常に設定していれば、利用のたびに節電を意識しなくても、消費電力量を抑制できます。
たとえば、省エネ・節電モードを利用すると、温水洗浄便座では25%以上の削減、テレビでも2%削減できます。常に省エネや節電を意識し続けるのは難しいため、事前に設定をしておき、自動的に消費電力を削減できる状況にしておきましょう。
節電ポイント④:電気料が高くなる時間帯は避ける
契約している電気料金プランで、時間帯に電気料金の単価が変わるならば、単価の安い時間帯に家電を利用するのがおすすめです。夜に単価が安くなるプランの場合、洗濯機や乾燥機など一時的な利用が多い家電を夜間に使いましょう。
夏場の場合、夜間や早朝に料理をして調理家電の利用時間をずらすと、節約だけでなく日中よりも快適に料理できます。もし、電気料金の単価が変わるプランを契約しているならば、割安な時間帯を狙って家電を活用しましょう。
節電ポイント⑤:効率が良い電化製品を購入する
10年以上前の家電を利用しているならば、最新家電に買い替えるだけで、自然に電気代を節約できる可能性が高いです。省エネ法により、国が提示するエネルギー消費効率の目標達成のために、省エネ家電の開発競争が進んでいます。
主要な家電に関して10年前の商品と比較すると、電気消費効率が非常に高まっています。
家電の消費効率比較:
- 照明器具:86%減
- 冷蔵庫 :46%減
- テレビ:31%減
- エアコン:10%減
- 温水洗浄便座:7%
自宅で利用中の家電が10年以上前に購入したもので、不具合が出ているならば、早めに買い替えて電気代節約を進めましょう。
関連記事:固定費を削減する7つの方法!節約する際の3つの注意点を解説
まとめ:電気代の平均額を把握し、節電を心がけましょう
本記事では、電気代を決める仕組みとともに、世帯人数別の電気代の平均額や節電のポイントをご紹介しました。
電気代は家計にかかる固定費の筆頭であり、節約を進められると、年間節約額は無視できない金額になります。化石燃料による発電に70%以上を依存する日本は、自然に電気代が安くなる可能性は低いです。
電気代を削減するには、自宅での消費電力量の削減が必要ですが、対策方法はいくつもあります。自宅の電気代が周りよりも高くないか確認し、もし上回っている場合、着手しやすい方法から実行して節電しましょう。