貯金200万円は少ないって本当?貯金額の年代ごとの平均とお金の増やし方について解説

柴田 剛秀

著者:
柴田 剛秀(シバタタカヒデ)

桜井 鉄郎

監修者:
桜井 鉄郎(サクライ テツロウ)

投稿日:2024/3/10 更新日:2024/7/7

貯金を検討する際、200万円はひとつの目標となります。しかし、「でも貯金200万って少ないのかな?」と、世間的にどう見られているのか気になりますよね。

本記事では、貯金額200万円は一般的に多いのか少ないのか、各世代の貯金額から見ていきます。

また200万円貯金するためのコツについても、本記事では解説しています。最後まで読むことで、貯金額を増やす計画を立てられるでしょう。

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貯金が200万円は少ない?年代別に調査

金融資産を保有していない世帯を含む、貯金200万円は世の中から見て多いのか少ないのか、年代別に紹介します。

  1. 20代
  2. 30代
  3. 40代

年代によって、貯金200万円に対するイメージは異なります。詳細を見ていきましょう。

20代

金融資産を保有していない世帯を含む、20代の貯金額の平均は、以下の表のとおりです。

単身世帯二人以上世帯
0円42.1%35.7%
0~99万22.6%19.9%
100万~199万11.5%9.4%
200万~499万13.6%17.6%
500万~999万6.2%11.1%
1000万~2.4%3.5%
※参考:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」
※参考:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」

単身者・二人世帯以上ともに、最も多い割合の貯金額は0円であり、次いで0円超え100万円未満が多い結果でした。

20代で200万円ほど貯金できている単身世帯・二人以上世帯の場合は、資産形成の面において順調であるといえるでしょう。

また、20代前半は子育てに関して考えている世帯が少ないと考えられます。貯金額が0円の世帯が多いのは、このような背景も要因のひとつと考えられます。

30代

30代の貯金額に関して、以下の表にまとめました。

単身世帯二人以上世帯
0円32.4%23.9%
0~99万18.5%13.4%
100万~199万8.6%10.3%
200万~499万13.3%16.7%
500万~999万10.8%16.7%
1000万~13.6%16.2%
※参考:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」
※参考:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」

30代の貯金額は、20代に比べて多少のバラつきが出ています。住宅ローンや結婚や出産などのライフイベントの変化、教育費に関する支出などが関係していると考えられます。

また、将来の資産について考える年代でもあるでしょう。

単身世帯であれば貯金200万円でも通常の範囲内ですが、二人以上世帯であれば少なめであるといえるかもしれません。

40代

40代の貯金額の平均は単身世帯で657万円、二人以上世帯で825万円です。平均貯金額は単身世帯、二人以上世帯ともに20代~30代と比べて、大きくアップしていることが分かります。

40代は昇進・昇格によって年収が上がりやすいキャリアピークにあたる時期であり、比較的貯金がしやすい時期だと考えられます。

ただし、出産のタイミングによっては二人以上世帯の場合はお金を使う時期です。30代の時期よりも、貯金額が減る可能性も充分に考えられます。

単身世帯であれば順調に貯金も可能ですが、状況によっては貯金200万円は難しいでしょう。

一般的に見ると、40代で貯金200万円は少ないと言えるかもしれません。

ただし、上記の数値はあくまで「平均」であり、貯蓄額が圧倒的に多い人が数値を引き揚げている可能性があります。中央値でみると20代の二人以上世帯で44万円、30代で200万円、40代で250万円となり、200万円でも一概に少ないと言い切ることができません。

今後にどんなライフイベントが控えているか次第で、200万円が多いか少ないかが決まってくるでしょう。

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ライフイベントごとに必要なお金の例

日々の生活では日常的に必要な生活費以外にもイベントごとにかかるお金があります。

どのようなライフイベントがあって、それぞれどのくらいのお金が必要なのかを把握しておけば貯金もしやすくなるでしょう。

  • 結婚
  • 妊娠・出産
  • マイホームの購入

主要なライフイベントについてご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

結婚

ゼクシィの調査によると、結婚をした際には婚約指輪や結婚指輪、結婚式の費用など様々な費用を含めると、平均して約415万円の費用がかかると言われています。

ただし、結婚式の会場や新婚旅行先によってはそれ以上に費用がかかる場合もあるため、415万円を超えることもあるでしょう。

結婚式を開いた際にはご祝儀や親からの援助も含めると、最終的には還元されるかもしれませんが、結婚式の費用は前払いが一般的です。自分たちで最初に支払うには前述した程度の金額が必要になると考えておいてください。

妊娠・出産

交際・結婚をしているという場合には、妊娠・出産にお金がかかることも想定できます。

厚生労働省の「出産費用の見える化等について(令和5年)」によると、出産(正常分娩)時には平均で482,294円がかかります。

また、その他に妊娠してからの通院費や出産後のマタニティグッズやベビー用品を揃えるとなるとさらにお金がかかります。

そのため、妊娠から出産までで80万円前後のお金が必要と考えておくと良いでしょう。

マイホームの購入

マイホームを買う際には家の支払いだけでなく、印紙税や不動産取得税、登録免許税など様々な費用がかかります。一般的には一戸建てで購入価格の5~10%程度の諸費用がかかるといわれており、例えば3,000万円の注文住宅ならおおよそ150万円~300万円ほどかかると言われています。

購入の際の頭金は住宅によって異なるので一概にはいえませんが、おおよそ200万円〜700万円ほどです。

上記の通り購入時に大きな出費があるため、その場で必要なお金だけを用意してもその後の生活が苦しくなってしまいます。

可能であれば出費する金額と同額程度の貯金があると安心して生活をすることができるでしょう。

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貯金200万円を達成するためにするべきこととは?

貯金200万円を達成するためにおすすめできる方法を、3つ紹介します。

  1. なぜ貯金するのかを明確にする
  2. 固定費を削減する
  3. 定期預金や投資信託で一定額を積み立てる
  4. 毎月かかる費用を把握する

貯金はコツコツ行うことが重要です。モチベーションの維持から、具体的な節約術まで、詳しく解説します。

なぜ貯金するのかを明確にする

貯金は長期的な目標となるため、なぜ200万貯金するのか明確な目標がなければモチベーションの維持ができません。

なぜ貯金したいのか、何に使うために貯金したいのかを明確にしましょう。

不透明な目標や、自分の心が弾まない目標はモチベーションにならないのでおすすめできません。

例えば「老後のために貯金する」では、具体性がないうえにモチベーションにならないでしょう。「老後に絵画教室に通いたいので貯金をする」「マイホームが欲しい」など、具体性を持たせましょう。

また、細かい目標を何個も立てることもおすすめです。まずは10万円、次は20万円、50万円貯まったら2万円のご褒美、100万円貯まったらまたご褒美など、モチベーション維持を考えましょう。

なお、緊急時のための貯金は共通項目です。なるべく早めに必要生活費の3ヶ月分、可能であれば半年分を用意することが理想です。

固定費を削減する

目標を立てたら、具体的な節約をしていきます。まず見直すべきは、家賃、携帯料金、光熱費などの固定費です。

家賃を見直すことで引越費用がかかりますが、転勤せず同じ勤務地に通い続けるのであれば長い目で見ると引っ越しした方がお得になります。

固定費の見直しは手間暇がかかりますが、一度変更してしまえば比較的無理なく節約が可能です。自分がストレスなく見直せる項目は何かを、今一度考えましょう。

定期預金や投資信託で一定額を積み立てる

定期預金や投資信託で、一定金額を積み立てることで資産を増やせます。

クレジットカードや口座から自動的に引き落とせるように設定すれば、半強制的に貯金が可能です。

口座に入っている金額分使ってしまう人はもちろん、効率的に増やしたい人にも向いている方法といえるでしょう。ただ口座に入れているよりも、比較的低いリスクでお金を増やせます。定期預金や投資信託を始める際は、事前に情報を収集することがおすすめです。

なお2024年から始まったNISA制度では、積立NISA枠があります。非課税で投資信託積立が可能なので、気になる人はチェックしてみましょう。運用利回り次第では預貯金より効率的な資産形成が可能であり、貯金200万円の夢が近づきます。

ただし、投資信託などの投資商品は元本保証がないため、相場や企業の業績次第では元本割れの可能性もあります。分散投資や長期投資などリスクをコントロールできる方法を勉強し、投資期間が10年以上確保できるときに資産の一部を投資に回すことをおすすめします。

毎月かかる費用を把握する

200万円を貯めるためには、毎月の支出を把握する必要があります。家計簿を付けるのが苦手な人でも、まずは1ヶ月の支出を記録してください。

カテゴリごとにデータ化することで、削減可能な項目が分かります。食費、交際費、娯楽費などから可能な限り支出を抑えましょう。

また一度記録することで、翌月の予算を決められます。例えば娯楽費が30,000円で節約できそうであると感じた場合は、「翌月の娯楽費の予算は27,000円」と決めてその範囲内で使うようにします。

FP(ファイナンシャルプランナー)に相談する

貯金をするためには専門家であるファイナンシャルプランナーに相談をするのも効果的な方法の1つです。

ファイナンシャルプランナーは相談者の方のライフスタイルや家族の状況、収入など様々な面を考慮して、あなたに最適な資金計画を作成・提案します。

もちろん、あなたが直面するライフイベントに関しても考慮して資金計画を立て、その実行に関してもサポートしてくれるので、将来が不安だった方も安心して生活ができるようになります。

ファイナンシャルプランナーは必要に応じて弁護士や税理士とも連携をとりながらプランを立ててくれるため、より正確で堅実なプランを立てたいという方は一度相談をしてみてください。

無料で相談を受けてくれるところもあるので、お金を払うのには抵抗があるという方は無料相談を検討してみましょう。

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貯金する際の注意点

次は200万円貯金をする際の注意点を紹介します。貯金は継続できなければ意味がありません。継続するためのコツやポイントは、以下の4つです。

  1. 先取り貯金をする
  2. 余裕をもって貯金できるように支出を抑える
  3. 引落し・振替を自動にする
  4. 定期的に積立設定を見直す

それぞれ見ていきましょう。

先取り貯金をする

先取り貯金とは、給料や収入の一部を最初に貯金に回し、残ったお金で生活費をやりくりする方法です。

1ヶ月生活して残ったお金を貯金に回す方法では、毎月貯金できる金額にバラツキが生じたり、贅沢をし過ぎて全く貯金できなかったりすることがあります。

先取り貯金なら毎月一定額を確実に貯金でき、頭金が揃うタイミングも逆算しやすいです。

余裕をもって貯金できるように支出を抑える

余裕を持って貯金できるように、支出を抑えましょう。

ただし、無理に支出を抑えると反動で使いすぎる可能性もあります。最初は少しずつ支出を抑えて、だんだんと節約に身体を慣らしていきましょう。

銀行口座や証券口座、定期預金口座にお金が貯まっていくのを見ると「頑張ろう」と思える人も多く存在します。貯金が0円の場合は、まずは5万円ほど貯金してみてください。

モチベーションがあがれば、余裕を持ち支出を抑えられるようになり貯金200万円の夢も近づくでしょう。

引落し・振替を自動にする

税金、クレジットカードの利用額、保険料などの引落しを自動化しましょう。お金の動きが可視化されるため、節約しやすくなります。

また、ある分だけお金を使う人の場合、給料が入る口座とプライベートな口座の2つを持つこともおすすめです。給料用口座からプライベート口座に、毎月決まった日に決まった金額を振り込むよう設定します。

プライベート口座のお金の動きのみを見るため、自然と「この額で生活しなければ」と思えるようになります。貯金額が分かりやすくなり、貯金200万円の夢が近づくはずです。

定期的に積立設定を見直す

定期的に積立設定を見直しましょう。

例えば収入が増えるボーナス月に積立金額を一時的に増額することで、200万円貯金の夢が近づくはずです。また昇給した際に、毎月の基本の積立額を変えましょう。

定期預金・投資信託積立ともに、定期的に確認・見直しすることをおすすめします。

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まとめ

貯金200万円は世間から見て、20代であれば多いといえるでしょう。30代~40代であれば、普通の範囲内といえます。

200万円を貯めるためには、目標の制定、固定費の見直し、定期預金や投資信託の検討、支出の見直しが必要です。しかし、無理に節約をして強いストレスを感じると継続ができません。

できることから少しずつ始め、スモールステップで目標に向けて貯金していきましょう。

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著者

柴田 剛秀

柴田 剛秀(シバタタカヒデ)

大手来店型保険ショップに8年間勤務。
1000組以上の保険相談・資産運用・ライフプランニング
をしてきました。
これまでの経験を活かし、特定の商品にこだわることな
く真のライフパートナーとして、お客様にとって大切な
現在・未来の安心をご提供致します。
妻(同い年)・長男(10歳)・長女(5歳)の4人家族
【経歴・資格】AFP・宅地建物取引士
【得意分野】資産形成、資産運用、生命保険、不動産投資
【趣味】漫画、テニス

監修者

桜井 鉄郎

桜井 鉄郎(サクライ テツロウ)

プライム上場の金融機関に勤務、主に住宅ローンの相談販売を担当。
顧客に対し最適資金計画を提案、マイホーム購入に関連する法令・税額控除制度等について説明。
これらの経験を活かし金融・不動産に特化したライターとして活動中。
保有資格:1級ファイナンシャルプランニング技能士、宅地建物取引士、証券外務員1種