「実家暮らしなのに貯金が増えない…」
「実家暮らしが貯金しやすいのは本当?」
「どうすれば貯金が増えるの?」
と悩んでいませんか?
一人暮らしに比べ家賃や光熱費がかからず貯金しやすいといわれている実家暮らし。しかし、気づけばほとんど貯金ができていないという方も多いでしょう。
この記事では、どうしたらもっと貯金できるのか、平均的な貯金額や貯金できない原因を分析します。さらに、今日からできる貯金を増やす5つの方法もご紹介するので、ぜひあなたの貯金を増やす参考にしてください。
CONTENTS
実家暮らしなら毎月いくら貯金できる?一人暮らしと比較
貯金をしやすい環境といわれている実家暮らしですが、意外と貯金が増えていかないという方も多いでしょう。実際、実家暮らしでどれくらいの金額を毎月貯金することが可能なのでしょうか。
ここでは、一人暮らしの方の貯金額の実態や1ヶ月の生活費のデータを紹介します。一人暮らしの生活費との比較から、実家暮らしで毎月いくら貯金ができるのか計算してみましょう。
単身世帯の貯蓄額の平均は20代が176万円、30代が494万円
まず、一人暮らしの人の貯金額はいくらなのか、金融広報中央委員会のデータを引用します。金融広報中央委員会は、日本銀行に事務局を置き、中立的な立場で金融についての広報活動を行っている団体です。
毎年「家計の金融行動に関する世論調査」を実施しており、調査結果によれば一人暮らしの方の貯金額は次のようになっています。
年代 | 平均値 | 中央値 |
---|---|---|
20歳代 | 176万円 | 20万円 |
30歳代 | 494万円 | 75万円 |
40歳代 | 657万円 | 53万円 |
50歳代 | 1,048万円 | 53万円 |
60歳代 | 1,388万円 | 300万円 |
70歳代 | 1,433万円 | 485万円 |
参照元:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」
一人暮らしの人の貯金額の平均は、20代が176万円、30代で494万円でした。しかし、中央値は20代は20万円、30代が75万円です。
中央値とは、データを並べたときに一番中央に位置する値のことです。中央値が20万円と低く、平均値が176万円と高いのは、貯金額の多い人が大幅に平均値を押し上げていることを表します。
一人暮らしをしていても多額の貯金ができている方と、できていない方の差が大きいことが推測できます。
実家暮らしの場合は単身世帯よりも生活費が約7万5千円低い
生活費を自分で出している一人暮らしの方に比べ、実家暮らしの方は生活費の負担が少なく、その分貯金ができるはずです。一人暮らしの人と実家暮らしの人とでは、どれくらい生活費の差があるのでしょうか。
一人暮らしの人の1ヶ月の支出額を見ていきましょう。総務省が行った2022年の家計調査での単身世帯の月の支出の内訳は、この表のようになっています。
費用 | 金額 |
---|---|
食料 | 3万9,069円 |
住居 | 2万3,300円 |
光熱・水道 | 1万3,098円 |
家具・家事用品 | 5,487円 |
被服及び履物 | 5,047円 |
保健医療 | 7,384円 |
交通・通信 | 1万9,303円 |
教育 | 0円 |
教養娯楽 | 1万7,993円 |
その他の消費支出 | 3万1,071円 |
消費支出計 | 16万1,753円 |
参照元:総務省「家計調査 2022年(令和4年)1世帯当たり1か月間の収入と支出(単身世帯)」
これらの項目のうち、実家暮らしをしていることで抑えられるのは、食料費と住居費・水道光熱費の3つです。計算すると、3万9,069円+2万3,300円+1万3,098円=7万5,467円と合計で約7万5千円を抑えられることになります。この分をそのまま貯金に回せば、実家暮らしの方の貯金額は着実に増えていくはずです。
実家暮らしは一人暮らしよりも貯金しやすい
実家暮らしでは生活費7万5千円が浮いているとはいえ、生活費の代わりに実家にお金を入れている方もいるでしょう。マネーギークが実家暮らしをしている男女1,000人に調査したところ、実家暮らしの独身の61%が家にお金を入れている結果に。そして、その平均額は5万4,009円だそうです。(参照:マネーギーク「実家暮らしは家にお金をいくら入れる?平均は54,009円で年代別では50代の約7.5万円が最も高い」)
つまり、実家暮らしで浮いた生活費7万5千円のうち、平均5万4千円を実家に入れているという計算になります。20代や30代の場合は、少なくとも残りの2万1千円を貯金に回すことは可能と考えてよいでしょう。結論として、実家暮らしは一人暮らしよりも貯金しやすいのは事実です。
関連記事:新社会人の貯金額の平均はいくら?貯蓄を増やす4つの方法を徹底解説
実家暮らしの人が貯金できないのはなぜ?3つの理由
貯金しやすいはずの実家暮らしで、貯金ができないのはなぜでしょうか。貯金できるはずのお金がなくなるのは、生活のどこかでいつのまにかお金を使っているということです。
貯金を増やすためには、まずお金を使ってしまう原因を探り、根本的な解決をすることが先決です。ここで、実家暮らしの人がお金を貯められない代表的な3つの理由を紹介します。
実家暮らしで貯金できない理由:
- 自分の収支が把握できていない
- 生活費がいらないためお金に余裕があると感じやすい
- 余ったお金も支出に使ってしまっている
これら3つに共通するのは「何となく」という感覚であることです。あなたに当てはまるものがないかを確認してみてください。
①自分の収支が把握できていない
第1の理由は、自分が何にお金を使ったかわからない状態であることです。あなたの先月の支出は全部でいくらですか。外食にかけたお金はどれくらいでしたか。
これらの質問に答えられないけれど貯金はできているという方はあまりいないでしょう。貯金をするには、お金の動きを把握していなくてはいけません。
②生活費がいらないためお金に余裕があると感じやすい
第2に、実家暮らしでは生活費の負担がないため、自分は経済的に余裕があるかのように錯覚をしてしまうことです。自由に使える金額が多いと気も大きくなり、ついつい使いすぎてしまいます。
コンビニに毎日通ってしまったり、ネットショッピングで必要のない買い物をしたりしていませんか。1つ1つは少額でも積み重なると大きな金額になってしまいます。まずは実家暮らしの安心感から抜け出さなくてはいけないのです。
③余ったお金も支出に使ってしまっている
最後は、余ったら浪費をすると考えていることです。よほど意志が固い人でないかぎり、手元に余ったお金があれば「これは必要なものだから…」「今月は余裕があるから…」と出費しがちです。
これは、貯金よりも支出を優先してしまっているということです。いわば、貯金ができない体質です。貯金を増やすには、この体質を変えなければいけません。
関連記事:貯金できない人の3つの特徴!貯金の5つのポイントや方法を解説
実家暮らしで貯金額を増やすための5つの方法
それでは、貯金ができない体質を変えるにはどうしたらよいのでしょうか。そのためには、貯金できない原因の対策を、ひとつずつ実行していくことが重要です。いきなり出費すべてを節約するのでは、気持ちが疲れてしまって長続きしません。少しずつお金に対する感覚を磨いていきましょう。
ここでは、実家暮らしで貯金を着実に増やしていく方法を5つご紹介します。
実家暮らしで貯金を増やす方法:
- 家計簿をつけて自分自身の収支を把握する
- 貯金の目的と目標額を明確に設定する
- 自動的に貯金できる方法で先取り貯金をする
- 買い物の際にきちんとポイントを貯める
- 貯金がある程度貯まったら投資に挑戦する
あなたが使っているのは、毎日働いて稼いでいる大切なお金です。5つの方法をどのように実践するか説明します。
①家計簿をつけて自分自身の収支を把握する
まず、最初にすべきことは、家計簿をつけることです。実家暮らしで無駄遣いしていないつもりなのに貯金ができないなら、無意識のうちに余分に使ってしまっています。
見えていない使い道を可視化して、自分自身の収支をきちんと把握することが貯金への第一歩です。この場合、家計簿は1円単位で合わせる必要はありません。あなたがどんなことで無駄遣いしてしまっているのかを分析しましょう。
②貯金の目的と目標額を明確に設定する
次に、貯金をする目的と目標額を、はっきりと具体的な数字で決めます。たとえば「2年後にカナダへ行くために100万円貯める」でもいいのです。
なんとなくではお金を貯めるモチベーションも高まりませんが、目的と金額が定まると日々の出費に意識が向くようになります。貯金するための行動を身につけるには、自分がやる気になる目標が必要です。
③自動的に貯金できる方法で先取り貯金をする
貯金の鉄則は、給与が入ったら先に差し引いておき、残りでやりくりすることです。給与支給日後すぐに定期預金に自動入金されるようにしておけば、なかったものとして生活するのも苦になりません。
その際に注意したいのは、先取り貯金を高額にしすぎないこと。金額が多すぎると結局貯金を崩すことになってしまい、先取りの意味がなくなってしまいます。無理のない金額から始めて、少しずつ増やしていくやり方でもいいのです。
関連記事:銀行口座はいくつ持つのが適正?世間の平均や3つの使い分けのポイント、口座のおすすめの選び方を解説!
④買い物の際にきちんとポイントを貯める
近年さかんに耳にするポイ活。買い物の料金を支払うことでポイントがもらえるため、使わない手はありません。コツは貯めるポイントを絞ること。種類が多すぎると分散してしまって貯まりにくくなるので、節約効果が得られにくくなります。
特に、クレジットカードやデビットカードはポイントを貯められるだけでなく、支払い履歴も管理できるためおすすめです。ポイント目当てにお金を使いすぎないよう、上手に使いこなしていきましょう。
⑤貯金がある程度貯まったら投資に挑戦する
ここまでの4つの方法を実践すれば、貯金をする第1の目的はある程度達成できるはずです。貯金がある程度貯まってきたら、次は積極的に増やすことを考えましょう。
投資というとリスキーなイメージがあるかもしれませんが、ハイリスクハイリターンな投資ばかりではありません。節税効果もあるおすすめの投資方法2つをご紹介します。
おすすめの投資方法:
- iDeCo(個人型確定拠出年金)
- NISA
この2つの制度は、国が用意した投資制度です。そのため、そこで扱う投資商品は国の基準に沿った比較的安全なものがセレクトされています。大きな利益を短期間で狙うのではなく、低リスク低リターンでじっくり増やすのに向いています。
また、運用や売却によって得た利益に所得税がかからないという大きなメリットもあるのです。どちらの制度も上手に利用し、あなたの貯金を増やしていきましょう。
iDeCo(個人型確定拠出年金)
iDeCoは、自分で掛金を出して運用する個人年金です。自分の掛金で投資資産を購入して運用することで資産を増やし、60歳以降に年金として受け取れます。
掛金は、最低5千円から設定でき、年末調整や確定申告で所得控除が受けられるメリットも。さらに、iDeCoで得た利益は非課税になります。ただし、売却をしても60歳まで引き出しができないことに注意しましょう。
NISA
NISAは、国が用意した少額投資制度です。NISAでは、ネット銀行なら毎月100円から投資信託という投資商品を購入することが可能。運用で得た利益は、生涯非課税です。
2024年から始まる新NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠とが設けられ、年間で合計360万円までの投資が可能です。
まとめ:貯金しやすい環境を活かして貯金を増やそう
実家暮らしは、やはり貯金をしやすい環境であることがわかりました。実家暮らしでも貯金ができない原因は、実家暮らしの安心感からくる金銭感覚のゆるみです。余ったお金を貯金するという考えが、お金の使いすぎにも繋がります。
貯金を増やしていくには、金銭感覚を引き締めることが大切です。家計簿をつけて、目的と目標額をはっきりと決めて貯金を始めましょう。定期預金への自動入金などを利用すれば、先取り貯金もできます。
そして、ある程度貯金ができたら、投資に挑戦してみることもおすすめです。これらの方法で、実家暮らしという貯金しやすい環境を活かし、着実にあなたの貯金を増やしていきましょう。