「30代子持ち世帯の貯金額はいくらなのか?」
「今後必要にあるお金には何があるのか?」
上記のような悩みを抱えていませんか。
30代以降に必要となる資金には、大学までの学費や老後資金、緊急予備資金などがあります。子供や自分たちのためなど、多様な資金が必要となり、将来を見越した貯金が必要です。
本記事では、30代子持ちの平均貯金額や今後必要になるお金、貯金する際にやるべきことを解説します。本記事を読むことで、貯金の目安がわかり、自分ができる貯金方法から始められるでしょう。
CONTENTS
30代子持ちの平均貯金額
30代の子持ちの平均貯金額は以下のとおりです。
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
金融資産保有世帯 | 697万円 | 390万円 |
金融資産保有していない世帯を含む | 526万円 | 200万円 |
出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」
金融資産を持つ世帯の平均値は697万円ですが、中央値は390万円です。また、金融資産を持たない世帯も含めると、平均値は526万円に下がり、中央値は200万円になります。
金融資産がない世帯を含めると、平均的な貯蓄額は低くなることがわかります。なお、金融資産を持っていない世帯は全体の約24%を占めているのも特徴的です。
関連記事:30代主婦が使えるお金はいくら?家計を助ける働き方2選も紹介
30代子持ち世帯が今後必要になる4つのお金
30代子持ち世帯が今後必要になるお金は以下の4つです。
必要資金:
- 高校卒業までにかかる費用
- 大学にかかる費用
- 老後資金
- 緊急予備資金
子持ち世帯は子供の教育費として、高校卒業までの費用や大学にかかる費用などがあります。高校卒業ではなく、大学卒業を目指す方が多い傾向にあるため、大学にかかる費用まで必要になる可能性が高いでしょう。
それぞれ必要となる資金について解説します。
必要資金①:高校卒業までにかかる費用
高校卒業までにかかる費用は以下のとおりです。
区分 期間 | 公立 年間 | 私立 年間 |
---|---|---|
幼稚園 | 165,126円 | 308,909円 |
小学校 | 352,566円 | 1,666,949円 |
中学校 | 538,799円 | 1,436,353円 |
高等学校(全日制) | 512,971円 | 1,054,444円 |
私立の学校では、公立に比べて教育費が高くなる傾向があります。特に、小学校での費用の差が最も顕著です。費用とは、授業料や施設利用料、教材費などの年間総額を指します。
家庭によっては、基本的な教育費のほかに、交通費・学校行事の費用・塾や習い事の費用などの追加費用も発生します。そのため、公立校と私立校を選ぶ際には、教育にかかる総費用の違いを考慮することが重要です。
特に私立を選択すると、かなりの追加の費用負担が生じる可能性がある点に注意が必要です。
必要資金②:大学にかかる費用
大学にかかる費用は以下のとおりです。
国立大学 | 公立大学 | 私立大学 | |
---|---|---|---|
授業料 | 53万5,800円 | 53万6,363円 | 93万943円 |
入学料 | 28万2,000円 | 39万1,305円 | 24万5,951円 |
施設準備費 | ー | ー | 18万186円 |
4年間合計 | 245万5,200円 | 253万6,757円 | 469万467円 |
出典:文部科学省「私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」
文部科学省「(参考2)国公私立大学の授業料等の推移」
私立大学の授業料は国立大学や公立大学と比べて高いです。具体的には、私立大学の授業料は国立や公立の約1.75倍になります。
入学料の場合、公立大学が最も高く、次に国立大学が続きます。私立大学の入学料は、3つの大学のなかで最も安いです。
また、私立大学では施設準備費もかかりますが、国立や公立大学ではかかりません。4年間の学費の合計を見ると、私立大学は国立大学の約2倍、公立大学の約1.85倍になります。
大学の種類によって教育費に大きな差があることがわかります。特に私立大学では費用が高額です。そのため、大学を選ぶ際には、教育の質や専攻分野だけではなく、費用面も重要なポイントになることがわかります。
必要資金③:老後資金
30代子持ち世帯は子供が就職をすると、自分たちのために老後資金を貯める必要があります。必要となる老後資金は以下のとおりです。
65歳以上の夫婦のみの無職世帯 | 65歳以上の単身無職世帯 | |
---|---|---|
可処分所得 | 214,426 | 122,559 |
消費支出 | 236,696 | 143,139 |
収支 | -22,270 | -20,580 |
出典:総務省の「家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)結果の概要」
老後には夫婦世帯・単身世帯でも、毎月の収入よりも生活費が多くなっています。つまり、どちらの世帯も毎月赤字になっており、貯金を取り崩すか、何らかの方法で収入を増やす必要がある状況です。
夫婦世帯と単身世帯の赤字の金額はほぼ同じですが、単身世帯は収入が少ないにもかかわらず、生活費を減らすのが難しいでしょう。
老後を安心して過ごすためには、十分な貯金が必要で、収入と支出のバランスをきちんと考える必要があります。
必要資金④:緊急予備資金
緊急予備資金は、病気や仕事を失うなどの急な事態で収入がなくなったときに使うためのお金です。
少なくとも3〜6ヶ月分の生活費をカバーできる額が望ましいです。しかし、景気の変動は予測できないため、できれば6ヶ月から1年分の生活費に相当する金額を用意すると良いでしょう。
たとえば、1ヶ月に20万円の生活費が必要な場合、少なくとも60万円、理想的には120万〜240万円程度の貯金があると安心です。
関連記事:病院の個室にかかる「差額ベッド代」は医療費控除の対象?支払い不要なケースも解説
30代子持ち世帯が貯金する際にやるべき6つのこと
30代の子持ち世帯が貯金する際にやるべきことは以下の6つです。
貯金でやるべきこと:
- ライフプランニングを立てる
- 家計簿を使って収支を把握する
- 先取り貯金をする
- 固定費を見直す
- 副業や転職する
- 資産運用を始める
貯金する際には、将来どれだけお金が必要になるのか把握したうえで、貯金の目標金額を決めることが大切です。そのうえで、先取り貯金をしたり、固定費を抑えたりするのが効率的です。
それぞれやるべきことを解説します。
やるべきこと①:ライフプランニングを立てる
30代の子持ち世帯にとって、ライフプランニングは貯金において不可欠です。ライフプランニングがあることで、将来の目標や必要な貯金額が明確になり、無駄遣いを減らせます。
たとえば、子供の教育費や自宅購入などの大きな支出を予測し、それに向けて計画的に貯金を行えます。しかし、ライフプランニングには計画通りに貯金することのほかにも、柔軟性が必要です。
予期せぬ出費や収入の変動も考慮に入れ、計画を見直すことが重要です。ライフプランニングを立てることは、貯金への意識を高め、現実的な目標設定に役立ちます。現実的な目標設定と柔軟さを意識することで、30代の子持ち世帯は安心して貯金に取り組めるでしょう。
やるべきこと②:家計簿を使って収支を把握する
家計簿を使って収支を把握することで、無駄な出費を削減し、効率的に貯金ができます。
たとえば、家計簿を見返すことで、必要ではない定期購読や高額な娯楽費など、削減可能な支出を発見できます。しかし、家計簿を継続してつけるのは時間がかかり、面倒に感じることもあるでしょう。
家計簿の使用は収支の把握に役立ち、貯金に向けた意識を高める効果があります。一方で、家計簿の習慣を維持するためには、時間管理と根気が必要です。適切な家計簿の管理によって、30代の子持ち世帯はより効率的に貯金を進められるでしょう。
やるべきこと③:先取り貯金をする
給与が入ったらすぐに一定額を貯金することで、使いすぎを防ぎ、着実に貯蓄を増やせます。
たとえば、毎月の給与から自動で5万円を貯金口座に移すよう設定することで、気づかないうちに貯蓄が積み上がります。先取り貯金を行う場合は、生活費や急な出費に対応できるよう、現実的な貯金額を設定することが重要です。
先取り貯金は計画的な貯蓄を促進しますが、家計の現状を考慮し、無理のない範囲で行うことが大切です。支出と貯蓄のバランスを保つことで、30代の子持ち世帯は安定的に貯金できるでしょう。
やるべきこと④:固定費を見直す
30代の子持ち世帯にとって、固定費の見直しは貯金額を増やす効果的な方法です。固定費を減らすことで、毎月の可処分所得が増え、直接貯金に回せるようになります。
たとえば、スマートフォンのプラン変更や不要な定期購読のキャンセルなどで、月々の支出を削減できます。しかし、固定費を削減する際は、生活の質を著しく落とさないよう注意が必要です。
固定費の見直しを行うことで効率的な貯金ができますが、家族の生活スタイルとのバランスを考えることが大切です。
関連記事:固定費を削減する7つの方法!節約する際の3つの注意点を解説
やるべきこと⑤:副業や転職する
30代の子持ちの世帯は、収入増加のために副業や転職を検討することで貯金額を増やせます。追加の収入源は、貯金額を増やすだけではなく、経済的な安定感にもつながるでしょう。
たとえば、Webデザインやライティングなどのフリーランスの仕事や、より収入の高い職種への転職が考えられます。ただし、副業や転職には時間が必要であり、家族との時間を確保するバランスを考える必要があります。
副業や転職を始めることで、30代子持ちの世帯は経済的な安定と充実した家庭生活の両立を目指せるでしょう。
やるべきこと⑥:資産運用を始める
30代の子持ち世帯にとって、資産運用は貯金を増やす効果的な方法です。資産運用によって、定期預金の利息よりも高いリターンが期待でき、長期的な財産形成につながります。
たとえば、少額から始められるロボアドバイザーを利用した投資や、リスクを抑えたインデックスファンドへの投資が考えられます。しかし、資産運用には市場の変動リスクが伴い、運用方法の選択や管理が必要です。
資産運用は貯蓄を増やす有効な手段ですが、リスク管理と長期的な視点が必要です。適切な知識と戦略を持って資産運用に取り組むことで、30代の子持ち世帯は経済的に安定した家庭生活を目指せるでしょう。
関連記事:ファイナンシャルプランナーに相談できる内容とは?メリットや相談の流れを解説
まとめ:子育て世代は子供のためにコツコツ貯金しましょう
本記事では、30代子持ちの平均貯金額や今後必要になるお金、貯金する際にやるべきことを解説しました。子持ち世帯は将来、小学校から高校・大学までの教育費や老後資金、緊急予備資金などが必要になります。
資金を準備するためには、ライフプランニングを立てたり、先取り貯金をしたりすることが大切です。将来必要になるお金は、コツコツ貯めることが大切であり、早期に貯金の目安を決め、行動しましょう。