「収入」「支出」の文字

家計の収支バランスは問題ない?世間の平均支出や理想的な出費の割合・目安、見直しの手順を徹底解説!

柴田 剛秀

著者:
柴田 剛秀(シバタタカヒデ)

工藤 崇

監修者:
工藤 崇(クドウタカシ)

投稿日:2023/11/29 更新日:2023/12/4

「理想的な家計の収支のバランスは?」

「収支バランスを見直して家計を改善したい」

「世帯構成別の平均支出は?」

と悩んでいませんか?

2022年からのインフレで、食費や日用雑費・光熱費など生活に必要なさまざまな費用が高騰しています。これまでどおりに生活していても支出が増えるため、家計管理を見直したいと考えている人も多いのではないでしょうか。

家計管理を行ううえで、収支のバランスを見直すことは非常に重要です。理想的な収支バランスに近づけることは、貯蓄を増やすことにも繋がります。
そこで、世帯構成別の理想的な収支バランスについて解説していくので、自分の家計と比較してみましょう。見直すポイントについても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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世間の平均消費支出を統計データから確認しよう

インフレが続くなか、家計を見直したいと考えている人は多いでしょう。しかし、何が適正でどう修正すれば良いのか、見直しのポイントを判断するのも容易ではありません。

他の人の家計と比較したくても、お金が絡むためなかなか聞きづらいものです。まずは、統計データをもとに世間では何にいくら使っているのか、平均の消費支出を確認してみましょう

消費支出単身世帯二人以上の世帯
食料費3万9,069円8万1,888円
住居費2万3,300円1万8,652円
光熱・水道費1万3,098円2万4,524円
家具・家事用品費5,487円1万2,390円
被服及び履物費5,047円9,493円
保健医療費7,384円1万4,797円
交通・通信費1万9,303円4万1,535円
教育費0円1万1,439円
教養娯楽費1万7,993円2万7,619円
その他の消費支出3万1,071円4万8,529円
消費支出計16万1,753円29万0,865円

参照元:総務省「家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)家計の概要」
    e-Stat「家計調査(家計収支編)2022年(令和4年)単身世帯」

家計調査によれば、消費支出は単身世帯で16万1,753円、2人以上の世帯で29万0,865円という結果になりました。単身世帯で実質1.3%、2人以上の世帯で実質1.2%と2年連続の増加となっています。

項目別で見ると、もっとも支出が多いのは食費です。ただし、住居費に関しては住宅ローンの返済額が生活費に含まれておらず、低く算出されているので注意しましょう。

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関連記事:マイホームの購入資金はどれくらい必要?3つの費用と住宅ローンも解説します

世帯構成別の理想の家計収支バランスと改善のポイントを解説

消費支出は、世帯構成によって大きく異なります。世帯人数によってそれぞれ必要な費用に違いが出てくることはもちろん、収入によって使えるお金は一律ではありません。

世間の平均的な消費支出が分かったところで、世帯構成別の理想の収支バランスを見ていきましょう。日本に多い、以下の世帯構成を例に解説していきます。

世帯構成:

  • 単身世帯
  • 共働き世帯
  • 親子3人世帯

それぞれの世帯構成ごとに、理想の収支バランスと改善ポイントを見ていきましょう。

【単身世帯】理想の家計収支バランスと改善のポイント

未婚率の増加や核家族化の影響を受けて、単身世帯が増加しています。2040年には単身世帯の割合は約40%に達すると言われており、今後もその傾向は続いていくでしょう。

単身世帯では、自分のためにお金を使うことがほとんどです。1人分の自炊が面倒で外食に頼りがちになったり、欲しいものを躊躇なく買ったりする人も多いのではないでしょうか。単身世帯の理想の収支バランスは以下の通りです。

収支理想の割合手取り収入30万円での計算
手取り収入100%30万円
食料費15%4万5,000円
住居費20%6万円
光熱・水道費5%1万5,000円
通信費4%1万2,000円
医療費・生命保険料4%1万2,000円
日用品費2%6,000円
貯蓄25%7万5,000円
その他25%7万5,000円

単身世帯では、不測の事態にも備えて手取り収入の25%を目安に貯蓄しておくことをおすすめします。そのため、住居費は20%程度で設定しておきましょう。

都心は家賃が高い傾向にあるため、他の項目を抑えなければならないことも。変動しない固定費を削ることで、収支バランスを整えやすくなります。

家計見直しポイント①:外食を減らす

単身世帯では、外食が多く食費が家計を圧迫しているケースが多いでしょう。確かに1人分の食事を作るのは面倒なうえ、上手に食材を使い回さなければロスが出てしまうことも。だからと言って、外食ばかりだとお金がかかるだけでなく栄養が偏ってしまいます。
食費を理想の割合に近づけたいなら、外食の機会を減らすよう心がけましょう。週末は自炊をする、作り置きをして手間を省くなど、工夫すれば外食を減らすことが可能です。

家計見直しポイント②:娯楽・交際費を減らす

使うお金を自分で自由にコントロールできるからこそ、単身世帯では娯楽や交際にかける費用も高くなってしまいがちです。娯楽費や交際費は毎日の生活に彩りを与える大切な費用ですが、使いすぎは禁物です。毎月の貯金ができないだけでなく、貯蓄を切り崩すことにもなりかねません。

とは言え、楽しみのために使うお金を切り詰めすぎると節約がストレスになってしまいます。そうならないように、毎月使える金額の上限を決めておくようにしましょう。

【共働き世帯】理想の家計収支バランスと改善のポイント

1990年代半ばに専業主婦世帯数を追い越した共働き世帯は、現在の夫婦の生活スタイルの主流となっています。共働き世帯は手取り収入が増えることから、生活にゆとりができやすいのが特徴です。

しかし、収支の状況が内容が複雑になりやすく、家計全体のお金の流れや貯蓄の現状を把握しづらいことも。共働き世帯は、以下の理想の家計収支バランスを目標にしましょう。

収支理想の割合手取り収入40万円での計算
手取り収入100%40万円
食料費15%6万円
住居費25%10万円
光熱・水道費6%2万4,000円
通信費5%2万円
医療費・生命保険料5%2万円
日用品費2%8,000円
貯蓄20%8万円
その他22%8万8,000円

単身世帯と理想的な割合はそう変わらないものの、手取り収入が多い分項目ごとの費用は高く設定できます。しかし、収入が増えれば支出も増えてしまう可能性も。ついつい無駄遣いしてしまわぬように、意識的に支出を減らすことが大切です

家計見直しポイント①:余計なものを買わない

共働き世帯では収入が増えることにより、心のゆとりが生まれやすくなります。そこまで必要でないものを衝動的に買ってしまうなど、ついついお金を使いすぎている人も多いでしょう。また、夫婦間で共有できておらず、同じものを買ってしまうなども発生しやすくなります。
家計を見直すうえで大切なのは、必要なものとそうでないものを選別することです。欲しいものは30日待って、それでも欲しければ買うようにすることで無駄遣いを改善できます

家計見直しポイント②:夫婦の収支をまとめる

共働き世帯にありがちなのが、それぞれの収支を把握していないパターンです。収支を把握していなければ、収入は十分あるのに貯蓄ができていなかったという事態を招きかねません。
そうならないためにも、夫婦の収支をまとめて管理することをおすすめします。それぞれで支出を捻出するのではなく、まとめることで可視化しやすくなり、管理しやすくなるのが特徴です

【親子3人世帯】理想の家計収支バランスと改善のポイント

子どもがいる世帯では、教育費がかかることで収支のバランスが大きく異なります。何にどれくらいの費用がかかるのか把握しておかなければ、将来的に教育費を捻出できなくなってしまう可能性も。そのため、収入に対する各費用の割合を見直す必要がでてきます。

親子3人世帯では、以下の割合で収支バランスを見直しましょう。

収支理想の割合手取り収入40万円での計算
手取り収入100%40万円
食料費15%6万円
住居費25%10万円
光熱・水道費6%2万4,000円
通信費5%2万円
医療費・生命保険料7%2万8,000円
日用品費2%8,000円
貯蓄15%6万円
その他25%10万円

子どもがいる世帯では、必然的に教育費が発生します。どのような進路に進むかによってかかる費用は異なるものの、計画的な捻出が必要不可欠です。また、子どもの年齢によって食費や光熱費が嵩むことも考えられるため注意しましょう。

関連記事:子どものためのおすすめの資産形成方法とは?教育費の相場や学資保険・投資信託などについて詳しく解説!

家計見直しポイント①:まずは固定費を削減する

親子3人世帯の家計を見直したい場合は、固定費の削減にポイントをおいて考えます。住居費や通信費・生命保険料など毎月かかる費用を見直せば、継続的に支出を抑えることが可能です

一度見直せば、その後は何の手間も加える必要はありません。ただし、生命保険料を見直す際に必要な保障まで削減しないように注意しましょう。

関連記事:固定費を削減する7つの方法!節約する際の3つの注意点を解説

家計見直しポイント②:変動費は抑える工夫をする

子どもが成長するにつれ、さまざまな費用がかかることから理想の収支のバランスを保てなくなる可能性は高くなります。特に、食費や光熱費は物価高の影響を受けており、理想通りにはいかないことも多いでしょう。
変動費は、無理な節約で出費を削るのではなく、抑える工夫をしながら生活していくことをおすすめします。たとえば、飲み物を持参する、エアコンの設定温度に気をつけるなど小さな節約が家計の改善に繋がることに。変動費は日々の工夫を積み重ねていくようにしてください。

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関連記事:昼食代の平均額は?男性・女性・年代別データとランチの節約術も紹介

家計の収支バランスを見直して貯蓄を増やすための3つの手順

毎月のようにさまざまなものが値上がりし、光熱費も上昇して家計を圧迫しています。そのため、貯蓄ができなくても仕方ないと諦めてしまっている人も多いのではないでしょうか。

しかし、将来も安心して暮らすためには、収支バランスを見直して貯蓄を増やすことも重要です。貯蓄を増やすために、以下の手順で家計の収支バランスを見直しましょう。

家計を見直して貯蓄を増やす手順:

  1. 家計簿を習慣化して収支バランスを見える化する
  2. 出費を必要なものと欲しいものに分けて節約に取り組む
  3. 将来迎えるライフイベントと必要な費用をシミュレーションする

それぞれの手順について、詳しくみていきます。

①家計簿を習慣化して収支バランスを見える化する

家計を見直すためにもっとも重要なのが、収支のバランスを見える化することです。貯蓄が増えない人の多くは、何にお金を使ったのか支出が正確に把握できていません。
支出が把握できていないと、何をどのように削減したら良いか見当もつかないでしょう。そこで、おすすめは家計簿を習慣化することです。家計簿をつけることで、いつ・何に・いくら使ったのか、支出が可視化できます

関連記事:家計簿初心者・苦手な方必見!使いやすいおすすめ家計簿アプリランキングTOP5

②出費を必要なものと欲しいものに分けて節約に取り組む

家計簿を習慣化して支出を見える化したら、その出費は本当に必要なものかどうか考えましょう。コンビニや自動販売機で購入したものや何となく買ってしまった洋服など、浪費と言える支出はありませんか?
この浪費と呼べる支出を削ることは、節約に繋がります。また、節約のために欲しいものを過度に我慢してしまうのも逆効果です。ストレスなく節約生活が持続できるよう、上限額を設定するなどメリハリのある支出を心がけてください

③将来迎えるライフイベントと必要な費用をシミュレーションする

節約して貯蓄を増やすことは、将来安心した生活を送るために必要なことです。しかし、過度に貯蓄する必要はありません。貯蓄は多いに越したことはありませんが、そのためにストレスを抱えながら節約生活を送るのは本末転倒です。

将来必要になるであろう費用をシミュレーションし、その分を計画的に貯蓄していきましょう。どんな老後を送りたいのか、しっかりと思い描き、家族とよく話し合っておくことが重要です。
全国銀行協会では、家族構成や年収・貯蓄額から具体的な家計のシミュレーションができるツールを掲載しています。「ライフプランシミュレーション」で将来的な収支状況を確認してみましょう。

まとめ:家計を見直して理想的な収支バランスに近づけよう

続く物価高で家計が圧迫され、貯蓄ができないと諦めてしまっている人は大勢います。これまで通り生活していては、貯蓄を切り崩さざるを得ない人もいるでしょう。しかし、将来に備えて貯蓄のペースは落とすべきではありません。
家族構成や年齢、収入によって生活に必要な費用は異なります。何にどれくらいの費用が使えるのか、収入のバランスを把握しておきましょう。理想的な収支バランスに近づけるために家計簿を活用し、無駄な支出がないか見直すことが重要です

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著者

柴田 剛秀

柴田 剛秀(シバタタカヒデ)

大手来店型保険ショップに8年間勤務。
1000組以上の保険相談・資産運用・ライフプランニング
をしてきました。
これまでの経験を活かし、特定の商品にこだわることな
く真のライフパートナーとして、お客様にとって大切な
現在・未来の安心をご提供致します。
妻(同い年)・長男(10歳)・長女(5歳)の4人家族
【経歴・資格】AFP・宅地建物取引士
【得意分野】資産形成、資産運用、生命保険、不動産投資
【趣味】漫画、テニス

監修者

工藤 崇

工藤 崇(クドウタカシ)

独立型ファイナンシャルプランナー。WEBを中心にFP関連の執筆・監修多数。セミナー講師・個別相談のほか、「相続の第一歩に取り組む」ためのサービスを自社で開発・提供。東京・北海道・京都を拠点として事業展開。株式会社FP-MYS代表。
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