「毎月ギリギリの生活で貯金なんてできない…」
「40代で貯金なしの人ってどれくらいいるんだろう?」
「40代貯金なしでも年金納めているし老後はなんとかなる?」
このような不安を抱えていませんか?
40代はほかの世代に比べて、教育費・マイホーム購入・親の介護などお金のかかる世代といえます。だからといって貯金なしのままで老後を迎えると、生活費すら不足してしまう事態に陥ってしまいます。
そこで今回は、40代貯金なしから貯金を始めるコツにも触れながら、40代貯金なしの人の割合や世間の平均貯金額をご紹介します。決して今からでも遅くはないので、貯金を始めましょう。
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40代貯金なしの人はどれくらいの割合?平均貯金額は?
40代で貯金なしの人はどれくらいいるのでしょうか。また、平均貯金額はいくらなのでしょうか。親しい仲でも貯金額を進んで話すことは少ないため、世間の平均額を知って自分の状況を把握してみましょう。
とはいえ、40代といっても独身・既婚者の人など置かれた状況はさまざまです。そこで40代の貯金額について、2人以上の世帯と単身世帯で調査を行ないました。
40代の貯金額:
- 2人以上の世帯
- 単身世帯
あなたの状況を照らし合わせながら、参考にしてみてください。
40代2人以上世帯の平均貯金額は825万円で貯金なしは26.1%
令和4年の金融広報中央委員会の調査によると、40代2人以上世帯の平均貯金額は825万円、貯金なしは26.1%でした。
金融資産保有額 | 割合 |
---|---|
金融資産非保有 | 26.1% |
100万円未満 | 11.1% |
100~200万円未満 | 7.2% |
200~300万円未満 | 5.4% |
300~400万円未満 | 5.5% |
400~500万円未満 | 4.2% |
500~700万円未満 | 7.9% |
700~1,000万円未満 | 7.3% |
1,000~1,500万円未満 | 7.4% |
1,500~2,000万円未満 | 3.8% |
2,000~3,000万円未満 | 5.2% |
3,000万円以上 | 4.9% |
平均値 | 825万円 |
中央値 | 250万円 |
参照元:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」
およそ4人に1人は貯金ができていません。なお、平均値はすべてのデータを足して合計を算出し、データの個数で割った値です。対して、データを小さい順に並べたときに真ん中に位置する値である中央値は、250万円でした。
平均値はほかの値に比べて極端に高い・低い値があれば影響を受けますが、中央値は真ん中の値であるため影響を受けません。そのため、貯金額が大きい人が平均貯金額を引き上げていることを考慮に入れておきましょう。
40代単身世帯の平均貯金額は657万円で貯金なしは35.8%
一方、40代単身世帯の平均貯金額は657万円、貯金なしは35.8%でした。
金融資産保有額 | 割合 |
---|---|
金融資産非保有 | 35.8% |
100万円未満 | 14.8% |
100~200万円未満 | 5.9% |
200~300万円未満 | 4.9% |
300~400万円未満 | 6.2% |
400~500万円未満 | 2.8% |
500~700万円未満 | 2.8% |
700~1,000万円未満 | 3.1% |
1,000~1,500万円未満 | 7.7% |
1,500~2,000万円未満 | 2.5% |
2,000~3,000万円未満 | 4.0% |
3,000万円以上 | 5.9% |
平均値 | 657万円 |
中央値 | 53万円 |
参照元:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」
2人以上世帯に対して単身世帯は平均貯金額が低く、貯金なしの割合は大きくなっています。なお、中央値は53万円であり、平均貯金額657万円と大きな差があります。
貯金額が大きい人が平均貯金額を引き上げている状況は、2人以上世帯と同様です。およそ3人に1人は貯金ができておらず、世帯によって貯蓄格差が大きいことが読み取れました。
関連記事:【令和3年版】40代の平均年収はどれくらい?職業別の年収や年収を増やすためのポイントも解説
40代貯金なしでも問題ない?老後に必要な資金はいくら?
40代2人以上世帯ではおよそ4人に1人、単身世帯ではおよそ3人に1人が貯金できていない状況がわかりました。多くの人が貯蓄できていないなら、40代貯金なしでも問題ないのでしょうか。
さらに、老後に必要な資金は一体いくらかかるのでしょうか。老後に受け取れる年金と老後の生活費について、具体的な金額を挙げて考えていきましょう。
老後に受け取れる年金は国民年金だと満額で6万6,250円
日本年金機構の令和5年度の年金額例によると、自営業・フリーランスでも老後に受け取れる国民年金は満額で6万6,250円です。一方、会社員が受け取れる厚生年金は、夫婦2人分の老齢基礎年金を足して平均22万4,482円です。
国民年金(老齢基礎年金の満額) | 66,250円 |
---|---|
厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む)※ | 224,482円 |
※平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9万円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。
参照元:日本年金機構「令和5年4月分からの年金額等について」
国民年金に対し、厚生年金に加入している人のほうが、受け取れる年金額は約3.4倍多くなります。
年金だけでは老後の生活費すら不足してしまう
自営業・フリーランスや会社員が受け取れるおおよその年金額がわかりました。しかし、総務省の統計によると、年金だけでは老後の生活費すら不足してしまう事態に陥ってしまいます。
2022年の総務省の統計によると、65歳以上の単身世帯の1ヶ月消費支出は14万9,208円。(参照元:e-Stat「家計調査2022年|1世帯当たり1か月間の収入と支出[単身世帯]」)また、2人以上の世帯の1ヶ月当たりの消費支出は29万0,865円でした。(参照元:総務省「家計調査2022年(令和4年)平均」)
65歳以上単身世帯の1か月あたりの支出額は14万9,208円で、8万2,958円不足します。また、2人以上世帯の1か月あたりの支出額は29万0,865円で、6万6,383円不足します。貯金がなければ老後の生活が厳しくなることがわかりました。
関連記事:将来の老後生活は年金以外にも備えが必要?今からできる自助努力で備えておこう
40代貯金なしから貯金を始める際の5つのコツ
40代の貯金なしの人の割合は、あなたの予想以上に多かったかもしれません。しかし、老後に受け取れる年金と老後に必要な資金を比較すれば、安心できない現実があります。また、人によって生活状況は異なり、不測の事態は誰にいつ降りかかるかわからないため、貯金をすることは重要です。
ここからは、40代貯金なしから貯金を始める際のコツについてご紹介します。40代貯金なしから貯金をするコツは、以下の5つです。
40代貯金なしから貯金をするコツ:
- 家計簿をつけて家計における収支を把握する
- 固定費から優先的に見直しをする
- お金を使いたい場合は目的を明確にして優先順位をつける
- 先取り貯金をして貯金を優先する仕組みを作る
- ある程度余裕ができたら資産運用に挑戦する
それぞれ詳しくみていきましょう。
①家計簿をつけて家計における収支を把握する
40代貯金なしから貯金をするコツの1つ目は、家計簿をつけて家計における収支を把握することです。家計簿をつけることで、収入に対して支出が多すぎるなど収入と支出のお金の動きを把握でき、節約すべき費用項目を探し出せます。また、家計簿の存在によって、節約を意識できるようになるメリットもあります。
家計簿アプリでは、家計簿初心者や苦手な人でも手軽に家計管理できるため、おすすめです。以下の記事を参考に、あなたに合った家計簿アプリを見つけましょう。
関連記事:家計簿初心者・苦手な方必見!使いやすいおすすめ家計簿アプリランキングTOP5
②固定費から優先的に見直しをする
40代貯金なしから貯金をするコツの2つ目は、固定費から優先的に見直しをすることです。固定費は毎年または毎月必ず支払いが発生し、支出のうちで大きな割合を占める場合が多くなります。そのため、固定費をどれだけ減らせるかが貯金づくりに重要です。
固定費の具体例は、以下のとおりです。
固定費の具体例:
- 家賃・住宅ローン
- 生命保険や学資保険などの各種保険料
- 水道光熱費
- 携帯料金やインターネット通信料
- サブスクリプション代
1度契約を見直せば継続的に節約できるため、まずは手を付けやすい固定費を見直してみましょう。具体的な固定費削減方法は、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:固定費を削減する7つの方法!節約する際の3つの注意点を解説
③お金を使いたい場合は目的を明確にして優先順位をつける
40代貯金なしから貯金をするコツの3つ目は、お金を使いたい場合は目的を明確にして優先順位をつけることです。貯金ができない人は、目的もなく何となくでお金を使っている傾向があります。
1回の出費は少額でも無意識に使ってしまうお金は「ラテマネー」と呼ばれ、ラテマネーを節約することで資産形成につながります。例えば、以下のようなものがラテマネーとして挙げられるため参考にしてみてください。
ラテマネーの例:
- エコバッグを持ち合わせていないために購入した有料レジ袋
- コンビニでつい買ってしまうお菓子
- 職場内の自動販売機で買ってしまう飲み物
その支出は本当に必要なのか、一旦立ち止まってお金を使う目的や優先度を考えてみましょう。
④先取り貯金をして貯金を優先する仕組みを作る
40代貯金なしから貯金をするコツの4つ目は、先取り貯金をして貯金を優先する仕組みを作ることです。先取り貯金とは、給与が振り込まれるタイミングで一定額を先に貯金へ回すことです。毎月の残額を貯金に回している状態では、手元のお金をつい使い込んでしまい、なかなかお金は貯まりません。
勤務先の財形貯蓄制度や金融機関の自動積立定期預金を活用すれば、自動的に貯金が可能です。「今月は貯金できなかった…」という事態は避けられます。貯金が苦手な方は特に、強制的に貯金ができる先取り貯金がおすすめです。
⑤ある程度余裕ができたら資産運用に挑戦する
40代貯金なしから貯金をするコツの5つ目は、ある程度余裕ができたら資産運用に挑戦することです。お金は目的や時期によって、以下の3種類に分けられます。
目的別のお金の種類:
- 生活に必要なお金(月々の生活費の3か月~1年分)
- 将来使う予定のあるお金(子どもの教育費・マイホーム購入費)
- しばらく使う予定のないお金
上記のしばらく使う予定のない余裕資金を元手に、資産形成に挑戦することをおすすめします。低金利が続いている日本では、貯金だけではなかなかお金は増やせません。そのため、効率的な資産形成には、投資や投機による資産運用が重要です。
40代からの貯金におすすめの3つの資産運用方法
40代貯金なしから貯金をするコツを順に実践していき、最終的に資産運用によって効率的にお金を増やせることがわかりました。ここからは、40代からの貯金におすすめの3つの資産運用方法をご紹介します。
おすすめの資産運用:
- 個人年金保険
- iDeCo(個人型確定拠出年金)
- NISA
上記3つの方法は、会社員・自営業・フリーランスのどの立場の人であっても利用できる制度です。それぞれ詳しくみていきましょう。
おすすめの資産運用①:個人年金保険
おすすめの資産運用の1つ目は、個人年金保険です。個人年金保険は生命保険における積立保険の1つであり、貯蓄型の保険です。契約時に設定した年齢まで保険料を支払うと、一定期間または一生涯の間、年金を受け取れます。
また、個人年金保険料税制適格特約を付加すると、一般生命保険料控除とは別に個人年金保険料控除も適用可能です。そのため、所得税・住民税の負担を軽減できるメリットも見逃せません。ただし、途中で解約すると、払い込んだ保険料よりも解約返戻金が少なくなるリスクがある点は覚えておきましょう。
おすすめの資産運用②:iDeCo(個人型確定拠出年金)
おすすめの資産運用の2つ目は、iDeCo(個人型確定拠出年金)です。iDeCoは、運用商品の申込み・掛金の拠出・運用方法・受取方法の選択を自身で行なう任意加入の私的年金制度です。20歳以上65歳未満のすべての人が加入でき、国民年金の第1・2・3号被保険者の加入区分は関係ありません。
iDeCoには税制における優遇措置があります。おもな特徴は、以下のとおりです。
iDeCoの優遇措置:
- 65歳まで拠出できる掛金は全額所得控除の対象
- 利息・運用益はすべて非課税
- 受取時に公的年金等控除または退職所得控除の対象
60歳以降に老齢給付金として受け取れますが、60歳になるまでは資産を引き出せません。そのため、継続的に加入できるよう生活に支障のない拠出額を設定しましょう。
おすすめの資産運用③:NISA
おすすめの資産運用の3つ目は、NISAです。NISAは「少額投資非課税制度」ともいい、株式や投資信託への投資で得られた利益について、非課税とする制度のことです。
2024年以降は新しいNISAが導入され、併用可能な「つみたて投資枠」と「成長投資枠」に分類されます。
非課税保有期間は無期限で、年間投資枠は、つみたて投資枠が年間120万円、成長投資枠が年間240万円となり、合計で年間最大360万円までの投資枠です。
まとめ:老後に向けてなるべく早く貯金を始めよう
40代のおよそ3〜4人に1人が貯金できていない状況だとわかりました。だからといって、40代貯金なしで安心してはいけません。年金だけでは老後の生活費すら不足してしまうのです。現実を把握し、40代の今からでも貯金を始めることをおすすめします。
本記事でご紹介した貯金をするコツを実践し、余裕ができたら資産運用にも取り組んでみましょう。貯金額は急に増えるものではないため、毎日の積み重ねを大切にして時間を味方につけてください。老後に向けて、なるべく早く貯金を始めるようにしましょう。